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人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

2020年4月に読んだおすすめ小説ランキング

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2020年4月に読んだ小説の中からおすすめ小説をランキング


4月の1冊目は

三上延さんのビブリア古書堂の事件手帖

おすすめ度 4.0です。

はじめて三上延さんの作品を読みました。丁寧な描写で読みやすく、先が気になる作品で、あっという間に読んでしまいました。


4月の2冊目は

垣谷美雨さんのリセット

おすすめ度 3.5です。

四十代女性三人が、今の人生に不満を持ちタイムスリップして高校生からやり直す物語です。


4月の3冊目は

山崎豊子さんの沈まぬ太陽 アフリカ篇・上

おすすめ度 3.5です。

前々から読みたかったのですが全部で五冊あるので、買うのに勇気がいりました。取り敢えず一冊目アフリカ篇・上は、会社の対応に腹が立つ展開で、イライラしたまま終わってしまった。下からは、どうなっていくのか楽しみです。


4月の4冊目は

山崎豊子さんの沈まぬ太陽 アフリカ篇・下

おすすめ度 3.5です。

上でカラテ、テヘランと懲罰人事を受けた恩地の次の勤務地はアフリカ。日本には帰れなかった。

恩地の精神力に感服。


4月の5冊目は

垣谷美雨さんの結婚相手は抽選で

おすすめ度 3.8です。

ありえない設定でしたが、垣谷美雨さんらしく、男女間や親子間の人の距離感、心の奥底までが見える作品で面白かった。


4月の6冊目は

山崎豊子さんの沈まぬ太陽 御巣鷹山篇

おすすめ度 4.2です。

日本航空JAL123便墜落事故の事実に基づいた小説。壮絶すぎる。

事故現場や遺体の状況などがリアル過ぎて、それだけで涙が出る。

国民航空に怒りを覚え、事故の悲惨さに涙が出る。


沈まぬ太陽 御巣鷹山篇

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おすすめ度 4.2

感動する   😢😢😢😢😢

ためになる  💮💮💮

心に残る   💟💟💟💟💟

切ない    💛💛💛💛💛

重い     💜💜💜💜💜

日本航空JAL123便墜落事故の事実に基づいた小説。壮絶すぎる。

事故現場や遺体の状況などがリアル過ぎて、それだけで涙が出る。

国民航空に怒りを覚え、事故の悲惨さに涙が出る。

国民航空創立三十五周年のパーティーが開催されている頃に、NAL123便が墜落する。

事故は史上最悪で、恩地ら国民航空の社員は事故調査のために事故現場へ派遣された。

しかし、国民航空は加害者のため、現場に入ることが許されず、遺族の世話係にあたる。

恩地は遺族のために誠心誠意尽くそうとするが、人の命をお金でという話になれば、やはりこじれる。お金なんていらない、主人を返してくれと遺族からは責められる。

国民航空は遺族同士を引き離しておきたかったが、『おすたか会』という遺族の会が出来、国民航空告訴へと話が進んだ。

国民航空創立三十五周年の記念パーティーという晴れやかなシーンと国民航空機墜落事故という残酷なシーン。事実をもとにした作品だけに、このギャップに胸が苦しくなりました。

事故現場や遺体収容場所のシーンがリアル過ぎて恐ろしくなりました。

堂本社長が辞意を表明したあと、恩地がその前に事故現場へ足を運び、航空事故の凄まじさを身を以て知るべきだと憤るシーンは感動する。

堂本社長の弔問行脚にはイラッとくる。遺族のことより自分のことしか考えていない。三人の娘を失った遺族に娘の名を聞かれ、答えられないシーンは、形だけの弔問だと感じた。

それに比べ、恩地ら遺族の世話係は、遺族から罵られながらも誠心誠意尽くそうとする姿が感じる。世話係も大変な仕事だろう

会社と遺族の板挟みになりながら補償の交渉をする恩地たち。考えただけでも苦しい仕事

遺族同士を引き離しておきたい国民航空の対応に腹が立つ。

ビブリア古書堂の事件手帖

おすすめ度 4.0

感動する   😢😢😢

笑える    😄😄

スリル    💓💓

ビックリ   😲😲😲

先が気になる 👀👀👀👀

ほのぼの   🐹🐹🐹

ためになる  💮💮

心に残る   💟💟💟

切ない    💛💛💛

怖い     😱😱

重い     💜

古い本には中身だけでなく、本そのものにも物語がある。

篠川栞子の言葉の通り、各章で登場する奇妙な客人たちにはストーリーがある。栞子が本のストーリーから、それらを推理して謎を解き明かしていく。

ストーリーや登場人物を丁寧に表現、描写されていて本当に読みやすいです。

それぞれが短編になっているのですが、つながっていて、最後にすべてがわかる。

ビブリア古書堂の店長篠川栞子は、古い本には中身だけではなく本そのものにも物語がある、という考えの持ち主だ。古い本については膨大な知識を持ち、並外れた洞察力を発揮する。

第一話 夏目漱石漱石全集・新書版』

大輔の祖母が亡くなり遺品を整理していると夏目漱石の『第八巻 それから』が出てきた。大輔は子供の頃にこの本を勝手に本棚から引っ張りだし、祖母にきつく叱られたことを思い出した。

処分する前にこの本の価値を調べようとビブリア古書堂へ行った。そこの店長の篠川栞子のこの本についての話や叔母の祖母の昔話から、大輔はこの本の秘密を知ることになる。

祖母はこの本を大事に置いていた理由や祖母の大輔への思いなどがわかる。

大輔はそのままビブリア古書堂で働くことになる。

第二話 小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン

ビブリア古書堂で働くことになった大輔。店番しているとホームレスの志田が本を持ってやってきた。志田を見たとき怪しい男だと思ったが、ここの常連らしい。

志田は自分の持ってきた本を買い取ってほしいという。それ以外にたのみごとをしてきた。

小山清の落穂拾ひ・聖アンデルセンを盗まれたので捜すのを協力してほしいという。

盗んだのは女子高生だった。

第三話 ヴィノグラードラ クジミン『論理学入門』

年配の男が『論理学入門』という本を持ち込んできた。大輔は栞子に鑑定してもらうために、その本をあずかった。

男の妻という女から電話があり、本を返してらほしいと言ってきた。

その本は夫の大切な本だという。なぜ男は本を売ろうとしたのか。

男にはある秘密があった。

第四話 太宰治『晩年』

ビブリア古書堂の店長、栞子は足を骨折して入院していたが、骨折の原因はある男に突き落とされてからだった。

男は栞子の持つ太宰治の『晩年』を欲しがっていた。それを奪うために突き落とした。

栞子と大輔は男を捕まえようとする。

読みやすくてあっという間に読んでしまった。

垣谷美雨さんの結婚相手は抽選で

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おすすめ度 3.8

ありえない設定でしたが、垣谷美雨さんらしく、男女間や親子間の人の距離感、心の奥底までが見える作品で面白かった。

 抽選見合い結婚法が、来年四月一日より施行されることが決まった。対象は、二十五歳から三十五歳までの男女で、前科や離婚歴がなく、子供がいない独身者である。抽選方法は、本人の年齢プラスマイナス五歳の範囲内で無作為とされている。

 相手が気に入らなければ、二人までは断ることができる。

 鈴掛好美は抽選見合いを歓迎した。彼氏と別れてから、自分は結婚できないと思っていたが、抽選見合いというチャンスがやってきた。母とのふたりの生活にうんざりしていたので。結婚すれば母と離れて暮らせる。

 冬村奈々は抽選見合い結婚法が決まる前に恋人の銀林嵐望との結婚を決めてしまいたかったが、嵐望にフラれてしまう。

 パソコンオタクの宮坂龍彦は抽選見合い結婚法が制定されることを望んでいた。二十代後半になっても彼女ができないので恋愛をあきらめていたのに、この法案が制定されれば、結婚ができる。

 それぞれが色んな思いで抽選見合いに参加する。どんな相手なのか? 断るチャンスは三回までしかない。一人目で妥協するべきか、二人目、三人目にかけるべきか。しかし、三人目になると断ることが出来なくなる。そんな男女のかけひきがある。

それぞれの一年後、法律は廃案になるが、それぞれ抽選見合いのおかげで、人生を新しく踏み出せていた。

モテる人もモテない人もそれぞれ悩みを抱えて生きている。それが、ちょっとしたきっかけで変わっていく。

ありえない法律でバカらしいけど、男女のかけひきなど、いろいろと面白い

この訳のわからない法律に腹が立つことがある。モテない男たちの会話に腹が立つことがある。しかし、読んでしまう。

山崎豊子さんの

沈まぬ太陽 アフリカ篇 下

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おすすめ度 3.5

感動する   😢😢😢

腹立たしい  ☆☆☆

スッキリ   ☆☆☆

スリル    💓💓

ビックリ   😲😲

先が気になる 👀👀👀

ためになる  💮💮💮

心に残る   💟💟💟

切ない    💛💛

怖い     😱

重い     💜💜

恩地がテヘランに赴任してから、恩地の母が危篤だと連絡が入り、すぐに日本へ帰国するが、母はすでに亡くなっていた。親の死に目にも会えなかった。

生前の母親は恩地がテヘランへ行くことにショックを受けていた。日本に帰るためにも、母親は組合でのことを会社に詫びるように言っていたが、恩地は拒んだ。

恩地自身、そして家族の心も荒んでいくのを感じた。

恩地が日本にいない間に、国民航空は第二組合「国民航空新生労働組合」をつくり、恩地たちの労働組合から組合員の引き抜きを始めていた。会社と一体となった新生労働組合へ流れていった。

恩地は日本に帰っても労働組合の活動をしないと約束すれば日本に戻すという差別に対して憤り、拒んだ。

日本に帰ることなく、テヘランの次の赴任先は未就航でオフィスもないアフリカケニアのナイロビだった。

国民航空が僅か五ヶ月間の間に三度も事故を起こした。

恩地が労組委員長時代に恐れていたことが起こってしまった。

恩地が空の安全のために国民航空労組の委員長として労働環境改善に闘ってきたが、会社は利益優先し、恩地を流刑に等しい勤務地へと配属した。その結果がこのような事故を招いたのだ。

国会の衆議院交通安全対策特別委員会で国民航空労組の沢泉委員長が職場環境の改善せずに利益優先してきたことが空の安全の低下につながっていると訴え、前委員長の恩地の今の待遇についても証言した。

この証言がきっかけで、国民航空の恩地に対する懲罰人事もあきらかになり、恩地は日本へ帰れることになる。

御巣鷹山篇』へと続く。

日本は安全でいい国だと思う。そして今はまだまだ課題はあるけど、この時代に比べると労働環境はよくなったなと思う。

国民航空始まって以来、初のストを打った組合の委員長と副委員長のその後の待遇は大きく違った。委員長の恩地はカラチ、テヘラン、と左遷。副委員長の行天はサンフランシスコ、ニューヨーク、本社秘書部とエリートコース。当時のサラリーマンは今以上に難しかったのだろう。

こんな見え見えの懲罰人事に従わなければならないのか理解出来なかった。

次の御巣鷹山篇が楽しみ

山崎豊子さんの沈まぬ太陽

アフリカ篇・上

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おすすめ度 3.5

腹ただしい ☆☆☆☆

感動する   😢😢

先が気になる 👀👀👀

ためになる  💮💮

心に残る   💟💟

切ない    💛💛

重い     💜💜💜

国民航空の社員で労働組合委員長だった主人公の恩地元は、劣悪な労働環境改善を目指して、会社に対し妥協のない行動をとった。

そのため、上層部から睨まれ、海外へ不当配転させられる。あきらかに懲罰人事だった。カラチで二年、その後日本に帰れると思ったがテヘランへ行くことになる。

アフリカ篇・上はここまで、テヘラン勤務は、下へと続く。

恩地元のモデルがいるらしいので、実際にこんなことがあったんだとビックリ。昔の労働環境は現在より劣悪だったんだな。今なら大問題になりそう。今ならこんな会社訴えてマスコミが大騒ぎするはず

恩地元は優秀な人なので、転職すればと思ったが、この時代は終身雇用の時代なんだな

恩地元のモデルは小倉 寛太郎という人物みたい

読んでいて腹が立ってきて、こんな会社やめてしまえと主人公の恩地に向かって呟きながら読んでいた。

アフリカ篇・上では腹がが立ったまま終わるが、きっと沈まぬ太陽の五冊あるどこかからスカッとする展開になるのだと期待している。

垣谷美雨さんのリセット

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おすすめ度 3.5

感動する   😢😢

笑える    😄😄

スリル    💓

ビックリ   😲😲

先が気になる 👀👀

ほのぼの   🐹🐹

ためになる  💮💮💮💮

心に残る   💟💟

切ない    💛

怖い     😱

重い     💜

兵庫県の田舎町で生まれ育った四十代後半の女性三人。彼女らは今の生活にぼんやり不満と不安を抱えながらも平凡に暮らしていた。三人は偶然東京で再会し、いっしょに高校時代へタイムスリップさせられてしまう。

三人はそれぞれ元の世界とは違う進路を選んで生きていくが、そこでもうまくいかない。

結局、十五年過ごしたところで、元の生活へリセットし、そこから新たな人生を歩む。

今の生活に不満を持ちタイムスリップしてやり直したい。誰もが思うことだろう。しかし、結局はなにをやっても不満は出てくる。それより前を向いて生きていく方が楽しい。

あいかわらず垣谷美雨さんの作品は女性の困難や葛藤をうまく表現しているなと思います。女性にとっては共感できる作品ばかり