人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

2020年7月に読んだおすすめ小説ランキング

20200701124628cb7.jpg

2020年7月に読んだ小説の中からおすすめ小説をランキング

垣谷美雨さんの女たちの避難所

おすすめ度 3.8

東日本大震災を経験し避難所で出会ったたちの物語。

椿原福子はスーパーで買物している時に地震にあった。

慌てて買い物を済ませて、車で逃げようとしたが、車ごと津波に流されてしまう。なんとか車から脱出するも、濁流に飲まれてしまう。流れてきた材木につかまり、ある一軒家の物干し台の鉄冊につかまり、何とか助かった。その一軒家にはマスノという年配の女性が住んでいた。福子はマスノに着替えや水などをもらう。そのあと、少年が流されてきてマスノと二人で少年を助けた。

漆山遠乃は舅と姑と自宅にいる時に地震にあった。夫は図書館に行っていた。

津波が来るかもしれないと放送が流れたので、生後六ヶ月の子供を抱いて逃げようとするが、舅と姑はここまで津波は来ない。余震が来ても大丈夫だと言って逃げようとしない。遠乃は赤ん坊を抱いて友人と車で外へ出る。車に乗ってから後ろを振り向くと津波が迫ってきていた。車のスピードを上げて逃げるが、渋滞で止まってしまう。最後は車から下りて走って逃げた。

バラバラになった舅と姑、夫たちは無事なのか。

山野渚は離婚して故郷に帰り、母親といっしょにナギサ洞という店を経営している。ランチタイムが終わり母親を店に残して、一旦自宅に戻ったときに地震にあった。

津波がきたが、自宅は大丈夫だった。しかしナギサ洞は海の近くで津波に飲まれてしまっている。母親は無事か。息子は学校に行っている。学校は高台にあるから無事のはずだ。

震災後、三人の女たちは同じ避難所で出会う。避難所での生活は女性たちにとってストレスのたまるものだった。特に若い遠乃にとっては赤ん坊に母乳をあげるのさえ苦労する。

そんな避難所生活に苦しみ、将来への不安を抱えた三人の女たち。

怒りを覚えたり感動したりの連続です。

東野圭吾さんの夜明けの街で

おすすめ度 3.8

不倫する奴は馬鹿だと言っていた主人公の渡部だったが、同じ職場で働く派遣社員の仲西秋葉にひかれていく。不倫はダメなことだとわかっていながら、一線を越えてしまい、そこから先はドンドンと秋葉に夢中になり、妻に見つからないように綱渡りのような生活を送るが、ある時から離婚を考えるようになってしまう。

ある男が渡部に話が聞きたいという。男は刑事で十五年前に起きた殺人事件を捜査しているという。十五年前の殺人事件とは、秋葉の父親の秘書であり愛人だった本条麗子が殺害された事件だった。

犯人はまだ逮捕されておらず、もうすぐ時効をむかえる。秋葉には殺害する動機があった。父親の愛人ができ離婚した秋葉の母親は殺人事件が起こる前に自殺していた。秋葉にとって本条麗子は母親を奪った憎い相手だった。

時効をむかえる日に秋葉は渡部と父親と叔母と会う約束をした。時効をむかえた瞬間に、秋葉は真実を話すという。

渡部は離婚して秋葉と結婚するのか、秋葉は殺人犯なのか、時効まで逃げきるつもりなのか、最後まで展開がわからず、ハラハラ、ドキドキ。そして、最後は意外な結末に!

小川糸さんのつるかめ助産院

おすすめ度 3.8

夫の小野寺くんが急に姿を消して、傷心のまりあは、昔小野寺くんと行った南の島に訪れた。そこで助産院の院長の鶴田亀子と出会い、妊娠していると告げられる。

小野寺くんがいなくなり、赤ちゃんを生むことに悩んだが、この助産院で生むと決める。

家族の愛を知らずに育ったまりあにとって、つるかめ助産院は愛情にあふれる優しい場所だった。

まりあは、これまで自分の人生が不幸だと思っていたが、自分のお腹に子供が出来たことやこの島の人たちと過ごすことで、そうでないことを教えられる。

鶴田亀子や島に住む人たちから生きる楽しさや勇気をもらい、まりあの人生がこの島で大きく変わっていく。

辻村深月さんのゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

おすすめ度 3.6

地元を出ていったみずほと地元に残ったチエミ。幼馴染みの二人はこのまま再会することはないと思われたが、チエミが母親を殺害し逃走しているのを知ったみずほがチエミを探し出そうとする。

第一章はみずほがチエミを探す視点で進む。学生時代の二人の共通の女友達に連絡し、みずほの行方に心当たりがないか聞いていく。

みずほは、話を聞いているうちにあることに気づく。

第二章はチエミ視点で母親を殺害し逃走した真相が明らかになっていく。

坂木司さんのアンと青春

おすすめ度 3.6

『和菓子のアン』の続編。

梅本杏子ことアンちゃんは、ほんわかした性格で周りを幸せにしてくれる。

デパ地下の『和菓子屋みつ屋』で働いて一年がたち、和菓子のことにも詳しくなった。

食べることが好きで明るい性格のアンちゃんにはぴったりな仕事だ。

『和菓子のアン』の頃より成長して少し大人になったアンちゃん。

『和菓子のアン』の時と同様に和菓子を通じて起こる小さな謎を解いていく。

朝井リョウさんのもういちど生まれる。

おすすめ度 3.5

短編集です。学園モノ、青春モノ。朝井リョウさんらしい独特の描き口。若い人には面白く共感できる話ばかりだと思います。

各話の登場人物のほとんどが学生たちで、将来への夢や不安を持ち、友情や恋に悩み、若い登場人物の脆い心情がうかがえます。

各話がそれぞれ少しずつ関係していて、登場人物が別の話では異なる視点で登場するのがおもしろい。

それぞれ明確な結末はないので、解釈は読み手次第です。

真山仁さんの売国

おすすめ度 3.4

検察官の冨永真一は「あかねちゃん事件」とマスコミが騒ぐ女児誘拐殺害事件の裁判を、形勢不利から検察勝利へと導いた。その功績が認められ、特捜部に配属される。

幼馴染みで親友の近藤左門が失踪した。その後、奇妙な疑獄事件に巻き込まれてしまう。ある日、左門の勤務する文科省の人間だという男が冨永の前に現れ、左門の行方を訊いてくる。文科省の男の話では左門は特定秘密を漏洩した疑いがあるということだった。左門のことを調べていくうちに富永はある人物にたどり着く。その人物は戦後の日本復興を支えた大物政治家だった。

宇宙開発に挑む若き女性研究者の八反田遙は、幼い頃から宇宙開発に夢を見て、日本の宇宙開発を担う研究者になるために日々奮闘していた。

航空宇宙科学研究センター(宇宙セン)の指導教官の寺島に導かれるが、そこで日本の宇宙開発の現状と問題点を目の当たりにする。同盟国のアメリカとの関係の複雑さに触れることでもあった。

そして政府は日本のロケット開発を民間へ委託すると発表した。遥は、夢だったロケット開発ができなくなることにショックを受けた。

検察とロケット開発、この二つのストーリーが一つのストーリーへとつながっていく。