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弁護士の御子柴は、宝来弁護士が担当していた津田伸吾殺害事件の弁護を代われと脅した。
津田伸吾殺害事件は、平凡なただの主婦である津田亜希子が、「他の男性と一緒になりたかったから」という身勝手な動機で夫である伸吾をカッターナイフで殺害したという事件だ。
犯行を認めているうえに先日東京地裁で行われた裁判員裁判によって懲役16年の判決が下されたばかりの事件で、多少減刑させられたとしても名を挙げられるようなものでも高額な報酬が望めるようなものでも無い。なのに、なぜ、御子柴は宝来を脅してまでこの事件の弁護をするのか。訝しく思いながらも、宝来は要求をのみ、今までの公判記録全てを渡す。
担当弁護士が御子柴に変わったことは、裁判で対峙する検察官の岬恭平の耳にも入る。
なぜ御子柴がこの事件に固執するのか疑問に思った岬は、亜希子取り調べの様子を記録した録画映像を確認するが、何度見ても検察側の主張に瑕疵は見当たらない。
裁判は検察優位のままで進むが、御子柴は津田亜希子の幼少の頃に起きた事件について調べるために福岡まで足を伸ばす。そしてある事実をつきとめ彼女には今回の事件の犯行が不可能であることを立証する。
津田亜希子の幼少の頃の事件とは、実は〈死体配達人〉と称された御子柴自身が起こした事件だった。御子柴は法廷内の全員から指弾され、亜希子からも解任されてしまう。
真犯人は誰か?
津田亜希子は真犯人を庇ったのか?
真犯人の動機は?
最後に真相が御子柴によって次々と明らかになる。