浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授がテレビ番組に出演した際に、日本の司法解剖の問題点を厳しく指摘し、「世の中の問題の九割はカネで解決できる」と言い放った。
放送の翌朝から浦和医大に抗議の電話が殺到した。
そして、テレビ局のホームページに、光崎を挑発するような、自然死に見せかけた殺人予告があった。
これから一人だけ誰かを殺す。
自然死にしか見えないかたちで。
早速、埼玉県警捜査一課の古手川刑事と助教の栂野真琴は、異常死体が出る度に、司法解剖することになった。
次から次へと起こる事件。異常死体を調べていくうち、真琴はいつもとは違う光崎の異変に気づいた。
光崎は犯人を知っている。
やがて浮かび上がる光崎の過去の哀しき過ちとは?
犯人は? 犯人の狙いは?