おすすめ度 3.8
高遠冴はパリ八区にあるオークション会社「キャビネット・ド・キュリオジテ」、通称CDCに勤務している。
CDCは、ごく小規模ではあるもののれっきとしたオークションハウスである。
冴は十九世紀フランス絵画史を研究し、(ポスト印象主義における芸術的交流 ファン・ゴッホとゴーギャンを中心に)というテーマで、いずれ博士論文に挑戦つもりだった。
ある日、CDCで勤務する冴の元に錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれた。持ち主の女性サラはそれはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだと言った。
冴はリボルバーの真贋の調査をはじめる。調査をすすめるうちに、冴は異彩な画家、ゴッホとゴーギャンの知られざる真実へと迫っていく。
ゴッホがゴーギャンの才能に惚れ込み二人は出会う。それから二人での生活が始まるが、ゴーギャンは徐々にゴッホが鬱陶しく感じ、ゴッホの元を去る。ゴーギャンに去られたゴッホは悲しみに暮れ、自分の耳を切り落とす。それでも、ゴーギャンはゴッホの元に戻ることはせず、ゴッホはリボルバーで腹を撃ち自殺する。
それらの話に隠された全ての真実を冴は知ることになる。
そして、リボルバーを持ち込んだサラという女性の正体は?
絵画に興味がなくても、この作品を読むと、ゴッホの「ヒマワリ」とゴーギャンの「タヒチの女」はゆっくり鑑賞したい気分になります。