おすすめ度 3.3
主人公の神川淳平と幼なじみ双子の美人姉妹八重樫麻衣と八重樫優衣。三人が小学一年生で幼い恋心を描いた話からスタートする。
三人が中学生になり幼かった恋が、異性を意識しはじめて大人びたものに変わっていく。淳平は優衣の方に好意を抱いた。
青春小説のような展開から一転して殺人事件が起こる。淳平は兄の省吾が麻衣か優衣のどちらかに刃物で刺されたのを廃工場で目撃する。
省吾が麻衣に言い寄っていたこともあり、麻衣が兄を刺したのではないかと、淳平は考えたが確信はなかった。
そして、殺人事件目撃直後に阪神・淡路大震災が起こる。
淳平は家族を失った。優衣も家族を失った。
淳平はこの先、優衣を護り続けることを心に誓った。しかし、優衣はその後、姿を消した。
十五年後、東京地検特別捜査部で働く淳平は、偶然優衣と出会う。優衣は政治家是枝孝政の秘書をしていた。
是枝は慈善団体を隠れ蓑に資金作りをしているのではないかという疑惑があった。淳平はそれを暴かなければならない。
十五年前、優衣を護り続けると誓った淳平だが、是枝を逮捕することは優衣を苦しめることになる。
淳平は捜査を進めながら、幼なじみで初恋の相手だった優衣に近づき、また捜査対象の秘書としての優衣に近づく。