白い湯気と共にほのかに甘い炊きたてのご飯の香りが立ちのぼる。湯気の中から現れるのは、真珠色に輝くふっくらしたご飯粒の群だ。
衣はカリッとしているが、中身は火を通しすぎない。そんな牡蠣フライを一口噛めば、磯の香りのジュースがじゅわっと口いっぱいに広がってゆく……。
タルタルソースもはじめ食堂の自慢の一つだ。ゆで卵と玉ネギのみじん切り、そしてパセリと乾燥バジルをマヨネーズで和え、塩胡椒を加える。ピクルスはほんの少しだけ。だからとてもまろやかで、酸っぱすぎない、香り高いタルタルソースが出来上がる。
名物・鰯のカレー揚げ。真鰯の頭を落として腹を割き、はらわたと骨を抜く。それに小麦粉とカレー粉をまぶして油で揚げ、千切りにした生姜を散らして二杯酢を掛ける。
作り方は至極簡単だ。オリーブオイルを熱してニンニクのみじん切りと鷹の爪、シラスまたはジャコ、塩少々を入れる。続いてざく切りのキャベツを入れ、さっとかき混ぜて火を止める。キャベツのパリパリ感を残すのがミソだ。カレーやパスタにも合う。
二三が生ビールを出すと、一子がお通しの洋風おからの皿をカウンターに置いた。甘辛醤油味ではなく、玉ネギと挽肉を入れて炒め、コンソメと塩胡椒で味を付けたおからである。おからで作ったコロッケの中身……と思うと分かりやすい。