人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

美味しい表現、描写をおすすめ小説から学ぶ

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 熱いコーヒーが冷えた五体のすみずみに滲みわたる。

山崎豊子さんの沈まぬ太陽より

 濃紺の器は小ぶりだが、それ故「ぎっしり入っている」感じが強い。照りの強い叉焼が四枚、それに加えていかにも辛そうなひき肉が乗っている。メンマは最近よく見かける、長くて柔らかいタイプのようだ。青々としたネギが真ん中に集まり、色合いのいいアクセントになっている。スープは、「味噌」という言葉からイメージされるものより、ずいぶん白っぽい。

堂場瞬一さんの高速の罠より

 遼一は申し訳程度にシャツでこすってからリンゴにかぶりついた。果汁が渇いた喉に凍みる。痛いほどだ。

有川浩さんの塩の街より

 食欲はない。だが、食べられる時に食べておくべきだと思い直し、聡子がテーブルに置いた紙袋を開けた。焼きたてのパンの香りがふわりと広がり、食欲を刺激する。チーズの入ったどっしりと重いドイツパンを取り出し、二つに割ってかぶりついた。

堂場瞬一さんの讐雨より

 冷えた生ビールを飲みながら、熱々のから揚げにレモンをしぼる。

 おいしい。

 自由の味がした。

垣谷美雨さんの夫のカノジョより

 ランチメニューの項目をタップすると、赤身サイコロステーキ、舌平目のムニエル、ほうれん草とベーコンのキッシュから一点を選べるらしい。どれも美味しそうだ。前菜には美しい彩りのサラダがついていて、パルメザンチーズがこれでもかというくらいかかっている。

垣谷美雨さんのうちの子が結婚しないんで、より

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 オーブントースターがチンと鳴り、夫が「アチッ」と言いながらパンを取り出した。焦げたチーズの香ばしい匂いが台所に立ち込める。

「お肉も焼けたわ」

 粒胡椒をこれでもかというほど載せると、安い肉でも熱いうちならなかなかイケる。

垣谷美雨さんのうちの子が結婚しないんで、より

 私は自分で茶碗に飯を盛り、アジの南蛮漬けに箸を伸ばした。酢がきつくなく、唐辛子の辛味がうまい具合に効いている。

堂場瞬一さんの雪虫より

 夕食の準備中だったのか、家の中から、醤油と出汁の匂いが濃く漂い出て来た。

堂場瞬一さんの雪虫より

 ラーメンのスープは、東京風というにはどす黒過ぎるが、むしろ濃い醤油味が嬉しい。チャーハンは強い炎を使ってぱらりとしたものではないが、味自体はしっかりしていて、特に卵の甘みが感じられるのが好みだった。半ラーメンをスープ代わりにあっという間にチャーハンを食べ終え、一息つく。

堂場瞬一さんのバビロンの秘文字Ⅱ 追跡篇より

 喉に絡みつくほど甘いヘーゼルナッツのシロップは、スターバックス

堂場瞬一さんのバビロンの秘文字Ⅱ 追跡篇より

 程よい甘さと共に、かすかなレモンの香りが口の中に広がった。

東野圭吾さんの人魚の眠る家より

 冷たい麦茶を味わう。喉仏がしびれた。

沢木冬吾さんの約束の森より

 柔らかい上質な肉だということが分かる。ナイフにほとんど力を入れなくてもずっと切れた。口に入れるとわずかに歯に抵抗した後に、あっさりと溶けて喉に滑り落ちる。

堂場瞬一さんの焔より