2023-04-09 脂っぽさは微塵もなく、肉の旨みがたちまち口腔に広がる 食べる、美味しい表現、描写を小説から学ぶ 井戸が器を日岡に差し出す。なかに溶き卵が入っている。器のなかの霜降り肉は、まだ赤みがかかっていた。卵を絡めて口に入れる。途端、舌の上でほろりと溶けた。脂っぽさは微塵もなく、肉の旨みがたちまち口腔に広がる。 柚月裕子さんの凶犬の眼より