表示のルール
食品に表示を行うときは、表示内容に責任を持つ者の氏名又は名称及び住所と、公衆衛生上の危害の発生や拡大防止の観点から実際の製造所(加工所)及び製造者(加工者)の表示が義務付けされています。
【事項名(項目名)】
食品関連事業者のうち、表示内容に責任を持つ者の事項名は、「製造者」「加工者」「輸入者」「販売者」のうち、事業者の行っている行為に応じて該当するもので表示します。
表示を行う者が、その製品の製造業者の場合には「製造者」、加工者の場合は「加工者」、輸入業者の場合は「輸入者」と表示することが基本です。
「製造者」や「加工者」と実際に製造等を行った者が、名称、住所ともに同一の場合は、製造所の住所を別途表示する必要はありません。ただし、「製造者」や「加工者」が複数の工場を持っているなど、表示に責任を持つ部署の住所と工場の所在地が異なる場合などは、「製造者」「加工者」欄に近接した箇所に「製造所」「加工所」等の事項名を使用して、工場の住所を表示します。
【販売者で表示をする場合】
製造業者等と合意の上で、これらの者に代わって小売事業者などの販売業者が表示を行うことも認められています。この場合、事項名は「販売者」と表示します。
販売者が表示に責任を持つ場合の表示方法は、原則として別記様式部分に「販売者の氏名又は名称及び所在地」を表示し、実際にその食品の製造や加工をした者の名称及び住所を「製造所」「加工所」等の事項名を使用して、近接した箇所に表示します。
また、同一製品を２つ以上の工場で製造する場合に限り、「製造所」を記号化して表示する製造所固有記号の制度を利用することができます。
なお、飲用乳及び乳製品にあっては、製造者の表示に代えて、販売者と製造所固有記号で表すことは認められていません。
【製造所固有記号による表示】
製造所固有記号は、従来の制度が表示面積が小さい等の理由により、表示内容に責任を持つ者(製造者や販売者)の名称及び所在地に、製造所の名称及び所在地を併記できない場合に、製造所の情報を記号で示す仕組みです。
この制度については、従来の制度では食品事故の発生時に一般消費者が製造所名を把握することが困難であったことから、使用ルールの見直しが図られ、同一の製品を２つ以上の工場等で製造した場合だけ、使用が認められることとなりました。このため、工場等が１つの場合は「製造所」や「加工所」の具体的な住所等の表示が必要です。また、製造固有記号には、消費者が製造所所在地の情報を得るための次のいずれかの事項を併記することが必要です。
①製造所所在地等の情報提供を求められたときに回答する者の連絡先
②製造所所在地等を表示してウェブサイトのアドレス等
③当該製品の製造を行っているすべての製造所所在地等と、その製造所固有記号
この新しい製造固有記号の制度は、2016年(平成28年)4月1日より施工され、同時に届け出のデータベース化も図られました。
消費者庁のデータベースシステムで届け出た新たな製造所固有記号を表示する際は、製造所固有記号の前に「+」の記号を冠することで、新制度による製造所固有記号であることを明確にします。なお、旧制度に基づく表示に、このシステムで届け出た製造所固有記号を使用することはできません。
また、食品表示基準による表示への経過措置期間は2020年(令和2年)3月までであることから、それ以降は消費者庁のデータベースシステムで届け出た製造所固有記号を表示する必要があります。
製造者等の表示例
【製造者による表示例】
製造者 ◯◯食品株式会社
◯◯県◯◯市◯◯町◯ー◯ー◯
【輸入者による表示例】
原産国 Ａ国
輸入者 ◯◯商事株式会社
◯◯県◯◯市◯◯町◯ー◯ー◯
【販売者による表示例】
(1)同一製品を１つの工場で製造した場合
販売者 ◯◯食品㈱
◯◯県◯◯市◯◯町◯ー◯ー◯
(2)同一製品を２つ以上の工場で製造した場合
①製造所固有記号(下記の例では+ＡＢ)を表示し、製造所所在地等の情報提供を求められたときに回答する者の連絡先を表示する場合
販売者 ◯◯食品㈱ +ＡＢ
東京都◯◯区◯◯町◯ー◯ー◯
製造所はお客様相談室にお問い合わせください。
TEL ××××ー×××ー××××
②製造所固有記号(下記の例では+ＡＢ)を表示し、製造所所在地等を表示したウェブサイトのアドレス等を表示する場合
販売者 ◯◯食品㈱ +ＡＢ
東京都◯◯区◯◯町◯ー◯ー◯
製造所はホームページをご確認ください。
www.◯◯◯.jp
③当該製品の製造を行っているすべての製造所所在地と製造所固有記号を表示する場合
販売者 ◯◯食品㈱ +CD
東京都◯◯区◯◯町◯ー◯ー◯
製造所固有記号:
AB: ㈲◯◯製菓◯◯県◯◯市◯◯町◯ー◯ー◯
CD: ◯◯フーズ㈱△△工場◯◯県◯◯市◯◯町◯ー◯ー◯
