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加工食品の原材料名《遺伝子組換え食品の表示について》

遺伝子組換え食品とは

 遺伝子組換え技術は、ある生物が持つ有用な遺伝子を、他の生物のDNA配列の中に組み入れて、新たな性質を加える技術で、農業分野では品種改良のために使われています。

 この技術を利用して作られた農産物とその加工食品を「遺伝子組換え食品」といいます。害虫に強い性質や除草剤の影響を受けない性質を導入した大豆、とうもろこし、なたね、ばれいしょ、等があります。また、血中コレステロール濃度を低減させる効果があるといわれるオレイン酸を多く含む大豆や、ステアリドン酸を産生する大豆が開発されています。

 遺伝子組換え農産物については、品種ごとに、食品としての安全性については「食品安全基本法」及び「食品衛生法」、日本国内の野生動植物への影響は「カルタヘナ法」に基づいて、それぞれ科学的に評価し、安全性が確認されたものだけが国内に流通する仕組みとなっています。

《食品としての安全性審査のポイント》

・挿入遺伝子の安全性

・挿入遺伝子により産生されるたんぱく質の有害性の有無

・アレルギー誘発性の有無

・挿入遺伝子が間接的に作用し、他の有害物質を産生する可能性の有無

・遺伝子を挿入したことにより成分に重大な変化を起こす可能性の有無

 これらの安全性審査を受けていない遺伝子組換え農産物の生産及び流通は、法令で禁止されています。また、現在のところ、日本国内では食用の遺伝子組換え農産物の生産は行われていません。

義務表示の対象になる遺伝子組換え食品

 安全性が確認された8つの遺伝子組換え農産物とその加工食品について、食品表示基準に基づいた表示ルールが定めされています。

 遺伝子組換え食品の表示義務の対象となる食品は、次の①、②及び③の場合です。

 大豆(枝豆、大豆もやし含む。)、とうもろこし、ばれいしょ、なたね、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤ

②この8農産物を主な原材料とするもので、加工工程後も組み換えられたDNA又はこれによって生じたたんぱく質が検出できる加工食品33食品群

 豆腐、納豆、豆乳類、みそ、大豆缶詰、きな粉、コーンスナック菓子、コーンスターチ、ポップコーン、冷凍とうもろこし、冷凍ばれいしょポテトスナック菓子等

③大豆、とうもろこしのうち、高オレイン酸遺伝子組換え大豆、ステアリドン酸産生遺伝子組換え大豆、高リシン遺伝子組換えとうもろこし、及びこれらを原材料として使用した加工食品(大豆油等)

これらの遺伝子組換え農産物では、遺伝子組換えの特徴である、組み換えられたDNA又はこれによって生じたたんぱく質以外にも、従来の農産物と異なる形質があることから、②と異なり、加工食品においてDNA等が検出できなくても義務表示が必要です。

遺伝子組換え表示の対象とならない加工食品

 一方、③のような特別な形質を有する遺伝子組換え農産物ではなく、従来の農産物と組成や栄養価が同じである遺伝子組換え農産物を原材料とした食品の場合、加工工程後に組み換えられたDNA及びこれによって生じたたんぱく質が除去・分解される加工食品は、遺伝子組換え食品の義務表示の対象商品ではありません。

 これらの例としては、以下のようなものがあります。

 ・大豆では、しょうゆ、大豆油

 ・とうもろこしでは、水飴、液糖、コーン油、コーンフレーク

 ・なたねでは、菜種油

 ・綿実では、綿実油

 ・てん菜では、砂糖

表示のルール

 2001年(平成13年)より遺伝子組換え食品の表示制度が実施されていむす。

 遺伝子組換え農産物と非遺伝子組換え農産物が「生産」「流通」及び「加工」の各段階で分別管理され、そのことが書類により証明されている管理の方法を、「分別生産流通管理(IPハンドリング)」といいます。

 

 私たちがよく見かけるのは、「遺伝子組換えでない」という表示ですが、これは、事業者の判断による任意の表示です。

 遺伝子組換え表示義務があるのは「遺伝子組換えされた農産物とその加工品」及び「遺伝子組換えされた農産物と遺伝子組換えではない農産物が分別されていない農産物の加工品」です。

関連情報

遺伝子組換え食品表示の基準改正

 遺伝子組換え食品表示は、2001年(平成13年)の施行以来、新たな遺伝子組換え農産物の出現等を踏まえた改正がされてきました。表示ルールそのものの見直しは、2017年(平成29年)に、消費者庁に「遺伝子組換え表示制度に関する検討会」が設置されて検討されました。2018年(平成30年)3月に報告書がとりまとめられ、その報告書を踏まえて2019年(平成31年)4月25日に、遺伝子組換え食品表示に関しての基準改正がなされました。

 現在の食品表示基準では、分別生産流通管理を行った上で、遺伝子組換えの混入率が5%以下であれば、「遺伝子組換えでない」と表示できますが、改正された食品表示基準では、定められた分析法で遺伝子組換えが検出されない場合にのみ「遺伝子組換えでない」と表示できることに厳格化されました。

 しかし、この改正基準の施行は2023年(令和5年)4月1日からであり、それまでは本テキストに示す従前の基準が適用されます。食品表示基準の改正では、一般的には改正と同時に施行されるものの、改正内容の周知や表示改正版等に一定期間が必要なために経過措置期間が設けられ、その期間内は、新旧のどちらの基準での表示も有効とされます。

 遺伝子組換え食品の今回の改正では、「遺伝子組換えでない」との表示が、旧基準では「5%以下」であり、新基準では「不検出」と表示内容の意味合いが異なることや、「不検出」を判断する分析方法が開発中であることから、直ちに施行して経過措置期間を設けるのではなく、施行そのものを改正から約4年後としたものです。施行後も「遺伝子組換えでない」との表示を行おうとする食品関連事業者は、施行までの間に新基準による表示に確実に対応できるよう、確実な分別管理システムを構築することが求められます。、