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加工食品の原材料名《アレルギー表示について》

アレルギー表示の必要性

 近年、乳幼児から成人に至るまで、特定の食品が原因でアレルギー症状を起こす「食物アレルギー」の人が増えてきました。

 特に重い症状である「アナフィラキシーショック」と呼ばれるショック症状を起こすと、死に至る場合もあります。

 そのため、容器包装された加工食品では、その食品に含まれるアレルギーを起こす原因となる抗原(アレルゲン)についての正確な情報の提供が必要となり、アレルギー表示が義務付けられるようになりました。

アレルゲンの分類

 食物アレルギー症状を引き起こす原因となるアレルゲンを含むことが明らかとなった原材料については、症例数や症状の重さによって、2つに分類されています。

 このうち、「特定原材料」(7品目)とは「症例が多い、症状が重篤で命に関わる症例がある」など、必ず表示しなければならないものです。

「特定原材料」(7品目)

 卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生

 また「特定原材料に準ずるもの」(21品目)とは、「症例数や重篤な症例の数が継続して相当数あるものの、特定原材料に比べると少ないもの」として、表示が推奨されているものです。

「特定原材料に準ずるもの」(21品目)

 アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツキウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

 これらをすべて含んだ28品目を「特定原材料等」といいます。

アレルギー表示とは

 アレルギー表示は、その加工食品にアレルゲンである「特定原材料等」が食品である原材料や添加物として含まれることを消費者にわかりやすく伝えるための表示です。

 例えば、生鮮食品の卵やエビ、鮭などを原材料に使用している場合は、原材料名欄を見れば特定原材料等を含むことがわかりますが、調味料などの複合原材料や添加物のように原材料の詳細な表示が省略されている場合でも、原材料名欄だけ見れば、アレルゲンが入っていることがわかるようにする必要があるためです。

 このような理由から、特定原材料や特定原材料に準ずるものについては、「穀物」「果汁」のような、複合化した表記方法は認められていません。

●アレルギー表示の方法

 アレルギー表示は、含まれるアレルゲンを、原材料名や添加物名の直後に括弧して付して「マヨネーズ(卵を含む)」や「乳化剤(大豆由来)」のように、特定原材料等を原材料として含む旨、又は、食品に含まれる添加物が特定原材料等に由来する旨、を表示する個別表示を原則としています。

 この特定原材料等の名称のほかには、「代替表記」と「拡大表記」による表示も可能です。

「代替表記」

 特定原材料等と表記方法や言葉は異なるが、特定原材料等と同じものであることが理解できる表記をいいます。

 アレルゲン「卵」の代替表記例: 玉子、たまご、タマゴ、エッグ、鶏卵、あひる卵、うずら

 また、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリームは、その名称から乳を原材料としていることが明らかであるため、ミルクと同様「乳」の代替表記として使用することが認められています。

「拡大表記」

 表示される名称の中に「特定原材料等の名称」「代替表記の名称」を含んでいるため、その特定原材料等を使用していることが理解できる表記をいいます。

 アレルゲン「卵」の拡大表記例:「厚焼玉子」

 アレルゲン「小麦」の拡大表記例:「小麦粉」

 アレルゲン「大豆」の拡大表記例:「大豆油」

アレルギーの表示例

 アレルゲンは、別記様式の『原材料名の欄』及び『添加物の欄』に表示します。

 その表示方法には、「個別表示」と「一括表示」と呼ばれる2つの表示方法があります。このうち、アレルゲンを含む原材料や添加物の直後に括弧を付してアレルゲンを記載する「個別表示」が、アレルギー患者の商品選択の幅を広げるために原則とされ、例外的に原材料や添加物の最後にまとめて表示を行う「一括表示」が認められています。

 なお、個別表示と一括表示を組み合わせて使用することはできません。

個別表示

 個々の原材料にアレルゲンを表示する方法です。

 原材料として使用した特定原材料等の名称、又はその代替表記、それらの拡大表記により、アレルゲンを表示します。加工食品を原材料として使用する場合は複合原材料として表示されますが、複合原材料の原材料の表示が省略され、複合原材料の名称だけでは特定原材料等が含まれる旨がわからないものについては、その名称の次に括弧を付して「○○を含む」と表示します。また、特定原材料等に由来する添加物については、添加物としての表示の次に括弧を付して「○○由来」と表示します。

 この表示方法の場合、どの原材料にどのようなアレルゲンが含まれているかがよくわかります。

一括表示

 使用したアレルゲンを一括して表示する方法です。

 一括して表示する場合には、原材料として表示されているアレルゲンを含め、すべてをまとめて1ヵ所に表示します。これは一括表示を見ることで、その食品に含まれるすべてのアレルゲンを確認することができるように配慮したものです。

 例えば、「小麦」や「卵」が原材料として表示されている場合や、「コムギ」や「たまご」が代替表記で表示されている場合でも、「小麦」「卵」も一括して表示することが必要です。

●原材料名欄と添加物の欄を設けて表示する場合

 それぞれの欄内に含まれる(由来する) 特定原材料等について、それぞれの欄内の最後に括弧を付して(一部に○○・○○を含む)と表示します。

●添加物欄を設けず原材料名欄に表示する場合

 原材料と添加物のそれぞれに含まれる(由来する)特定原材料等について、原材料名欄の最後にまとめて表示します。

「乳」の表示

 特定原材料の「乳」の表示方法で、乳製品や乳等を主要原料とする食品に「乳を含む」や「乳製品を含む」と表示することは、乳等省令で定義する「乳」や「乳製品」そのものを用いて製造しているかのような表現となり認められていないため、食品表示基準では、「乳」に関するアレルギー表示の表記方法を「乳成分」に統一しています。

 ただし、添加物の場合には、「○○由来」の表現となるため日本語的な意味合いから、「乳成分由来」ではなく「乳由来」とします。また、添加物欄に一括表示するときは「一部に○○を含む」のように「含む」の表現となるため、「一部に○○・乳成分を含む」と表示します。

アレルギーの情報提供

コンタミネーション表示

 食品を製造する際に、原材料として使用していないにもかかわらず、特定原材料等がごく微量混入(コンタミネーション)してしまう場合がありますが、これについては表示義務はありません。しかし、食物アレルギーはごく微量のアレルゲンによっても発症することがあるので製造ラインを十分に洗浄してコンタミネーションの防止策を徹底することが食品事業者に求められています。

 また、同一製造ラインを使用することや原材料の採取方法等により、防止対策の徹底を図っても、ある特定原材料等がまれに入ってしまうことが想定できる場合には、食物アレルギーを持つ人に対する注意喚起表示を明確に行うことが推奨されています。

[注意喚起表示の例]

①同一製造ライン使用によるコンタミネーション

「本品製造工場では○○(特定原材料の名称)を含む製品を生産しています。」

②原材料の採取方法によるコンタミネーション

「本製品で使用しているしらすは、かに(特定原材料の名称)が混ざる漁法で採取しています。」

③えび、かにを捕食していることによるコンタミネーション

「本製品(かまぼこ)で使用しているイトヨリダイは、えび(特定原材料等の名称)を食べています。」

 なお、特定原材料等に関する「可能性表示」(入ってるかもしれません)は認められません。

特定原材料に準ずるものが含まれるかの情報提供

 アレルギー表示を正確に行っている場合でも、「特定原材料に準ずるもの」については表示が義務付けられていないため、該当する21品目の表示がされていない場合に、アレルギー疾患の方は、その食品が「特定原材料に準ずるものを使用していない」又は「特定原材料に準ずるものを使用しているが、表示されていない」のかの判断をすることが難しくなっています。

 このため、表示しているアレルゲンの対象範囲について、特定原材料7品目のみを対象としているのか、特定原材料に準ずるものを含む28品目を対象としているのかが明確となるように、「この食品は28品目のアレルゲンを対象範囲としています。」「アレルゲンは義務7品目を対象範囲としています。」「アレルゲン(28品目対象)」等と、別記様式枠外の近接した箇所に表示をしたり、ウェブサイト等を活用して消費者等に情報提供する努力が、している関連事業者に求められるようになりました。

アレルゲンが含まれていても表示義務がない場合

 あらかじめ容器包装されている加工食品には、アレルギー表示が義務付けられていますが、必ず表示しなければならない特定原材料7品目が含まれていても、以下のような場合は、表示義務がありません。

(事例)

 ①店頭で量り売りする惣菜や、調理パンのようにその場で包装するもの

 ②注文を受けて作るお弁当

 事例のような対面販売や、外食産業の事業者に対しては、アレルギー表示のみならず、食品表示自体が義務表示の対象でないため、アレルギーの情報についても表示されていないことがあります。

 しかし、健康被害防止のために食物アレルギーを持つ人への情報提供の充実を図ることが推奨されており、自主的に、品書き、メニュー等を利用して情報提供している店が増えています。