柚木麻子
おすすめ度 3.8
大穴と書いてダイアナという変わった名前の女の子が主人公。彼女の小学生から大人になるまでの成長物語。
ダイアナ(大穴)という変な名前のせいでクラスメイトからバカにされ、友達ができなかったが、小学三年生の時に同じクラスになった彩子とは親友になれた。
自分とは、容姿や環境が正反対の彩子が、ダイアナは大好きで、そして羨ましく思った。
そんな二人は誤解から友情に亀裂が入り会うことはなくなる。
二人はそれぞれ悩みを抱えながら成長する。大人になって十余年ぶりに出会う、感動の物語。
女子の心理を丁寧に描写されていて、一気に読んでしまいます。
おすすめ度 3.6
榊信一は、澄乃という恋人がいたが、性欲が高じると女を殺したいという危険な衝動を内に秘めていた。
末期ガンで余命数ヵ月と診断されて、自分の欲望に忠実に生きることにし、次々に殺人を繰り返す。
蒼井凌は胃ガンの再発で余命数ヵ月と知ってからも連続女性殺害事件の捜査に最後の執念を燃やす。
余命いくばくもない犯人榊信一と刑事蒼井凌、それに犯人の恋人澄乃、若い刑事矢部の視点からストーリーは展開していきます。
後半は、死ぬ直前まで連続殺人を続ける男と犯人を逮捕しようとする男の執念が臨場感たっぷりで、ハラハラドキドキの連続です。
おすすめ度 3.6
十五年前に高校の女性教師が校舎から飛び降り自殺したとされる事件が、殺人事件だとたれ込みがあった。
警察は時効まで二十四時間しかない殺人事件の捜査に乗り出す。
女性教師が自殺したとされる日に期末テストを盗みだそうと「ルパン作戦」を決行した高校生三人組の主犯喜多が取り調べを受け、喜多の回想部分でストーリーが展開していきます。
喜多の供述から「ルパン作戦」が決行した時に起こった殺人事件の全貌が明らかになっていく。
個性豊かな悪ガキ三人組が決行した「ルパン作戦」のワクワクドキドキ感と時効寸前で犯人逮捕に燃える警察の緊迫感、犯人は一体誰なのか? 動機は? 謎の多い事件の最後には、あっと驚く結末が待っています。
おすすめ度 3.5
定年まであと四年の財務官僚の樋口と自衛官の大友の二人が突如転属を命じられた。
仕事をせずに遊んで給料がもらえるという天下り先に戸惑う樋口と大友は教育係の立花葵にある日、ある秘密のミッションを彼らに言い渡される。
それは汚職か、横領か、それとも善行なのか。
天下り先で、なにもせずに好き勝手に過ごし給料はもらえる。うらやましいと思う反面、実際にこんなことがあるのかと思うと憤りを感じてしまう。
本当のハッピー・リタイアメントはお金より、リタイアしてから、自分の回りに人がいてくれるかどうかだと最後にそんな気にしてくれます。