おすすめ小説 堂場瞬一さんの雪虫
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平和な町で起こった殺人事件。被害者は元宗教団体の教祖だった本間あさ、七十八歳。鳴沢了はこの事件を捜査していくうちに五十年前にその宗教団体で殺人事件が起こっていたことをつきとめる。そしてその事件には不可解なことが多い。
そして自分の祖父がその事件の捜査に加わっていたことも知るが、祖父はその事件については忘れたとしらを切る。
鳴沢は五十年前の殺人事件の秘密に近づき、今回の殺人事件の犯人の動機に気づく。
主人公の鳴沢了は頑固で熱血な刑事だ。父親は現在警察署長で了は父親とはうまが合わない。祖父も元刑事で祖父とはよく話す。
鳴沢が非番にバイクをとばしている時に殺人事件が発生し呼び出された。場所は魚沼署で、魚沼署の署長は鳴沢の父親だ。あまり顔を合わしたくなかった。
被害者は、本間あさ、七十八歳。一軒家で一人暮らしで身寄りはない。
鳴沢は魚沼署の大西海とコンビを組み、聞き込みにまわる。
本間あさは、祈祷師のようなことをやっていたが近隣の情報では評判はよくなかった。
鳴沢は被害者の本間あさについて調べていくうちに、五十年前に本間あさが『天啓会』という宗教団体の教祖だったことがわかった。そして、当時、天啓会で殺人事件が起こっていた。犯人は池内康夫で、動機は当時は美人だったであろう本間あさを暴行しようとした園田日出男を池内康夫が殺害したという事件だった。
五十年前の事件との関係も調べはじめた。
やっと目撃者が現れたと連絡が入った。その目撃者は鳴沢の中学時代の同級生で初恋の相手の喜美恵だった。
銀行で勤務する喜美恵は、目撃した男が五年前に融資の相談に来た佐藤文治に似ているという。
佐藤文治について調べると癌で入院しているはずだったが三週間前から行方をくらましていた。
本間あさの殺害現場で目撃された佐藤文治と五十年前に『天啓会』で殺人事件を起こした池内康夫、この二人の接点が見つかった。
そして、鳴沢の祖父が五十年前の池内康夫の事件に関わっていた。
話は一気に動き出す。