おすすめ小説 堂場瞬一さんの「焔」
焔 堂場瞬一
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プロ野球選手の沢崎がメジャーに挑戦するために、自分を変えようとする。
エージェントの藍川が、それに協力し沢崎の商品価値を上げようとする。
ライバルの神宮寺は自由奔放な性格で沢崎は嫌いなタイプだと思っていたが、本当は二人は似た者同士だ。
スターズの沢崎鉄人は、首位打者に躍り出た。残り十試合、このまま首位打者を守りたい。
首位打者争いのライバルは同じスターズに所属する神宮寺光だ。
自由奔放で遊び人の神宮寺はトラブルを起こすことが多く、チーム内では浮いた存在になっている。
沢崎も苦手なタイプであまり関わりたくなかった。
これまでタイトルをとったことがない沢崎は毎年のようにタイトル争いをするのだが、ことごとく神宮寺光にタイトルを持っていかれていた。
沢崎は競り合いに弱い男と思われていた。
今シーズンこそは、それを払拭して、タイトルをとりたい。
沢崎は、来シーズンからメジャーに挑戦しようと高校時代同じ野球部だった藍川聖一にエージェントをお願いした。
藍川はメジャー挑戦を有利にすすめるため、今シーズンはタイトルをとることと無愛想な性格をイメージチェンジすることをすすめた。
髪型や服装、インタビューのコメントや表情など、さわやかなイメージになるようにアドバイスした。
ライバルの神宮寺は女性問題を起こした。それが写真週刊誌に掲載されることがわかった。
神宮寺はこれで野球に集中できなくなるはずだ。タイトル争いは沢崎が有利になると思われたが、神宮寺はスキャンダルなど、まったく気にしていない。
次に神宮寺はデッドボールを当てられたことに腹を立て、相手の選手を殴ってしまい出場停止になった。
藍川は今度こそ沢崎にとって有利になると思った。しかし、神宮寺が出場停止の間、沢崎の成績は芳しくなく、打率を下げ神宮寺に抜かれてしまった。
結局、神宮寺が出場停止の間、沢崎が有利になることはなかった。
神宮寺が復帰した試合で沢崎は調子を上げる。相手投手が乱調で沢崎は三安打放った。神宮寺の方は四打席ともファーボールで打率は変わらない。
ここで沢崎が神宮寺を抜いて首位打者になる。
最近、神宮寺にとってはタイトル争いに不利になることばかりが起こる。
最初は沢崎もそれを歓迎していた。
ある日、神宮寺と話す機会があり、沢崎は神宮寺が自分と似たタイプだと感じ、徐々に神宮寺という野球人にひかれていく。
二人は、これまで沢崎が神宮寺を避けてたため、これまで交わることがなかったが、ここにきて二人の距離は縮まった。
神宮寺と話しているうちに、沢崎はメジャー入りのためだけに過ごした今シーズンを悔い、最終戦だけは自分らしく野球がしたいと思う。
そして、その結果は?
メジャー挑戦は?