白羽さんはガリガリに痩せているので、ズボンが下がってしまうのだろう、白いシャツからうっすらとサスペンダーが透けている。腕をみても、骨にぺったり皮膚が貼りついているようで、この狭そうな身体の中に内蔵はどうやってしまってあるのだろうと思ってしまう。
夜になると、オフィスの光が幾何学的に並ぶ光景に変わる。自分が住んでいる安いアパートが並ぶ光景と違って、光も無機質で、均一な色をしている。
白くて綺麗なビルだらけの街は、画用紙で作った模型のような偽物じみた光景だった。
まるでゴーストタウンのような、ビルだけの世界。日曜の昼間、街には私以外誰の気配もなかった。