通話を終えると、自分の心音がうるさく聞こえた。期待によるものなのか、それとも怯えによるものなのか。どちらにしても情けないことに変わりはない。 中山七里さんの死にゆく者の祈りより
死にゆく者の祈り(新潮文庫) 作者:中山七里 新潮社 Amazon 教誨室(きょうかいしつ)の中はひどく寒々しかった。 四方の白を基調とした壁には何の飾りもなく、天井の照明が無機質な光を放っている。調度と呼べるものは中央に置かれたテーブルと一対の椅子の…
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