2019-11-25 東野圭吾さんの人魚の眠る家から学ぶ表現、描写 小説から表現、描写を学ぶ 東野圭吾さんの人魚の眠る家より 「いえ、そんな……」紅茶のカップに手を伸ばし、小さな動揺をごまかした。 怒りで頬の肉が引きつるのを堪えながら、星野は笑みを浮かべた。 「お嬢さんは脳死判定を受けていません」 「何? 都合が悪いの?」真緒の声が不機嫌そうに尖った。 柔らかい口調で語る榎田の言葉が、鋭い刃物のように薫子の胸に突き刺さった。衝撃のあまり、彼女は声を出せなかった。 おやすみなさい、と声に出さず、薫子は外の榎田に向かって口の形だけで伝えた。彼は頷き、小さく手を振った。 人魚の眠る家posted with ヨメレバ東野圭吾 幻冬舎 2018年05月 楽天ブックスAmazonKindle7net