深井の顔に暗い影が過る。何かミスをしたのか、怯えているようだった。
隊員の声は、不安げな色に彩られている。
私は先ほどの沢口との会話が重い澱のように心に染みこんで、食事が進まなかった。
「ああ……そうだったのか」石神の胸に広がりかけていた不安の雲が急速に消えた。
靖子は額に手を当てた。軽い頭痛が始まっていた。吐き気もする。絶望感がゆっくりと彼女の胸に広がっていった。
休日にひとりで家にいるのが嫌だった。嫌な気持ちが身体中に充満している感覚があった。「ストレスが溜まる」とは、まさにこういう状態を言うのではないか。「ストレス」という名の物体が、胃の辺りに何十個、いや何百個も溜まってパンパンになっている。
全身の神経が毛羽立ってくるようだった。小さな鳥かごに閉じ込められたような気分になる。
突然、強烈な心配と不憫さが腹の底から込み上げてきた。
沢崎は胃の中に硬く小さなしこりが生じるのを感じた。
不気味な予感が不安に姿を変え、胸の中で広がり出すのを感じた。先日の彼女との会話が蘇り、淡い点線が太い直線に変わる。
「ちょっとわかりません」
店員が答えた。
「……だよな」
三上は宙ぶらりんな感情を引きずりながら、狭い個室に戻っていった。
ブーツのような長靴のような、なんとも言えない奇妙な足元。そこから全体像が想像できない。
根拠のない不安が秋乃の背に爪を立てた。
「釜地の家内ですけど、主人がお世話になってるそうで」
鋭利な刃物のような冷たい声がはっきりと釜地の耳に届いた。
