人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

不安、恐怖の表現、描写を小説から学ぶ

空洞のように中味のない返事に、将来への不安が滲んでいる

「……そやな」 やがてぽつりと、井坂はつぶやいた。 空洞のように中味のない返事に、将来への不安が滲んでいる。 池井戸潤さんのルーズベルト・ゲームより

犬のように荒い息をしている。

「……どうしましょう?」 ようやく橋本が声を出した。犬のように荒い息をしている。 東野圭吾さんのブルータスの心臓より

頬は彫刻刀で削り取ったように削げ落ち、リノリウムの廊下を歩く足取りは萎えたように弱々しかった

ひんやりとした部屋のなかに立ち尽くす両親は、疲労と絶望に包まれていた。我が子が行方不明になってから食事もろくにとっていなかったのだろう。頬は彫刻刀で削り取ったように削げ落ち、リノリウムの廊下を歩く足取りは萎えたように弱々しかった。

 胸の中に、うっすらと濁った靄(もや)のようなものが広がっていくのを感じた

いっちみち乃南アサ短編傑作選 (新潮文庫) 作者:乃南 アサ 新潮社 Amazon 胸の中に、うっすらと濁った靄(もや)のようなものが広がっていくのを感じた。

わななく唇から精一杯の言葉が洩れる

円の顔色が見る見るうちに変わっていく。わななく唇から精一杯の言葉が洩れる。 中山七里さんの静おばあちゃんにおまかせ

がちがちと口の中で音がするのを峰和は聞いていた

がちがちと口の中で音がするのを峰和は聞いていた。奥歯が当たる音だ。全身から汗が吹き出していた。 東野圭吾さんのあの頃の誰かより

言葉の針で刺されているようだ

一小節毎に突き刺さる声にあたしの指はますますからめ捕られて自由を失う。指の一本一本が言葉の針で刺されているようだ。本来なら華麗で力強いはずの曲があっという間に無様でへなへなした雑音に堕ちていく。 中山七里さんのさよならドビュッシーより

知らないうちに点っていた胸の中の火が、ふっと消える気がした

出ていかなければ。このセーターが、乾いたら。 そう思いついたとたん、知らないうちに点っていた胸の中の火が、ふっと消える気がした。 原田マハさんのまぐだら屋のマリアより

汗が一筋、こめかみから首へ流れた

この瞬間、あたしの身体は震えだした。全身に寒気が走り、鳥肌が立った。そのくせ汗が一筋、こめかみから首へ流れた。 東野圭吾さんの分身より

風で木の枝葉がざわざわと揺れるように、突然胸騒ぎがし始めた

慎介は再び彼女の携帯電話にかけてみた。だが状況は昨夜と同じだった。 風で木の枝葉がざわざわと揺れるように、突然胸騒ぎがし始めた。 東野圭吾さんのダイイング・アイより

全身の血管から、すうっと血が逃げていく

頭の中心で、がんがんと鐘が鳴り響いている気がした。全身の血管から、すうっと血が逃げていく。空洞のような耳の中で、勝ち誇ったようなマニングの声がこだまする。 原田マハさんの楽園のカンヴァスより

暗い雲が由衣の眉間にかかった

ふと、暗い雲が由衣の眉間にかかった。逸騎は、由衣の表情が変わったのを気にしてか、 「いつ頃って、どういう意味やねん」と、少し不機嫌な声を出した。 原田マハさんの翔ぶ少女より

ひんやりとした空気に首筋を撫でられた。

とうせ何もないのだろうとドアを開けてみると、ひんやりとした空気に首筋を撫でられた。 薬丸岳さんの死命より

細い顔を青ざめて、ハンカチで何度も口元をぬぐっている

訊かれているのは、須貝正清の秘書尾藤高久だった。細い顔を青ざめて、ハンカチで何度も口元をぬぐっている。尾藤は刑事課長の問いに黙って頷いた。 東野圭吾さんの宿命より

ちりっと首筋の毛が逆立つ

『なにやったんだよ、お前』 ちりっと首筋の毛が逆立つ。嫌な予感がした。 三上延さんの江ノ島西浦写真館より

胸に黒い雲が広がるのを彼女は感じた

入り口に、コートを着た男が二人立っていた。一方の男が、頼子を見て会釈した。胸に黒い雲が広がるのを彼女は感じた。 東野圭吾さんの予知夢より

絶望とあきらめが黒煙のように広がった

自分はもう、生きて帰れないだろう。 瑶子の中に絶望とあきらめが黒煙のように広がった。と同時に、たったひとつの決意が焔(ほのお)のごとく燃え上がった。 原田マハさんの暗幕のゲルニカより

再び悪い予感が疾風のように胸の中に吹き込んでくる

さっきまでの和やかな昼食の風景が幻のように立ち消えた。瑶子は、テーブルの周りの空気が一気に緊張するのを感じた。再び悪い予感が疾風のように胸の中に吹き込んでくる。 原田マハさんの暗幕のゲルニカより

唇はわなわなと震えていた

工兵隊長の唇はわなわなと震えていた。ようやくそれだけを言うと、隊長は総司令官の前であることも忘れたように、水筒の水を音をたてて飲んだ。 浅田次郎さんの日輪の遺産より

いつ見えなくなるかという不安が、重苦しい霧のように

次第に視力は衰えていった。いつ見えなくなるかという不安が、重苦しい霧のように、安の心に立ちこめていた。 原田マハさんの奇跡の人より

驚きと恐怖が入り混じった靄が覆い尽くした

「母親じゃないわ」 きっぱりと、菜穂が言った。氷結した水面にぴしりと石を投げ入れるように。 一輝の顔を、再び、驚きと恐怖が入り混じった靄が覆い尽くした。 原田マハさんの異邦人(いりびと)より

霞のように不審感が広がっていた

樹の表情には、霞のように不審感が広がっていた。それを払拭しようとして、菜穂は重ねて言った。 原田マハさんの異邦人(いりびと)より

世界が夜の闇に向かって剥がれ落ちてゆくような気がした

そう考え出したとたん、世界が夜の闇に向かって剥がれ落ちてゆくような気がした。もしあいつに何かあったら。取り返しのつかないことになったら。 坂木司さんのワーキング・ホリデーより

俺は髪の毛から雨粒を飛ばすみたいにして首を振り

俺は髪の毛から雨粒を飛ばすみたいにして首を振り、弱気な考えをはじき飛ばす。 住野よるさんのよるのばけものより

背中の毛穴が開いて、悪い予感がたっぷりと溶け込んだ汗が滲み出てきた

今回の振付けを初めて見たとき、背中の毛穴が開いて、悪い予感がたっぷりと溶け込んだ汗が滲み出てきた。ショーというよりはフリーで踊るタイプのロックダンスを好んでやってきた私にとって、ジャズのショーはなじみのない動きが多すぎて、似合わない、と直…

底のない深い深い井戸の奥へ、生きたまま、ゆっくりと沈められていくようだった

不安な気持ちの表現 今度は先生が私の顔をのぞき込む。底のない深い深い井戸の奥へ、生きたまま、ゆっくりと沈められていくようだった。光がとんどん小さくなり、遠ざかっていく。呼吸が苦しい。正直、戸惑いの方が大きくて、うれしさなんて微塵もない。 小…

眼球の裏側が、じんと熱くなった

ー ぼくがなにかすると、みんな、笑うから。 この子はきっと、これからずっと、もっと、つらい思いをするのだろう。 孝次郎は突然、雷に打たれたようにそう思った。その途端、眼球の裏側が、じんと熱くなった。 朝井リョウさんの世にも奇妙な君物語より

不安がじわじわと身体の奥から湧き上がってきた。ぐつぐつと弾ける、温泉の泡のように、一つまた一つ、と心の底から不安が破裂する

母親が帰ってこなくて不安に思う表現 その番組が終わると、続けて、別のアニメがはじまった。次の番組になり、さらに夕方のニュースが放送され、そのあたりで不安がじわじわと身体の奥から湧き上がってきた。ぐつぐつと弾ける、温泉の泡のように、一つまた一…

体全体が心臓になったように

うなずくことも、首を横に振ることもできなかった。僕はただ口を閉じて、全身を強張らせていた。膝が、がくがくと震えているのがわかった。身体全体が心臓になったように、手が、足が、耳の中が、眼の奥が、どくんどくんと同時に脈打っていた。 道尾秀介さん…

ドライアイスから流れ出す、白い霧のように

もやもやとした思い。ドライアイスから流れ出す、白い霧のように、それは僕の胸の底に静かに広がっていった。 道尾秀介さんの向日葵の咲かない夏 【中古】 向日葵の咲かない夏 / 道尾 秀介 / 新潮社 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】posted with カ…