人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

水野敬也さんの夢をかなえるゾウ4に出てきた名言

 そしてガネーシャは言った。

「自分の価値を忘れてる人はおっても、価値のない人はおらへんのやで」

 

 ガネーシャは、僕に顔を向けて続けた。

「自分が今、不幸のどん底にいる理由は、ほんまは幸せなんを忘れてるだけかも分からんで」

 

「伝説のハリウッド女優やったオードリー・ヘップバーンちゃんな。彼女は、若いころに栄養失調で重体になってもうたり、反ナチスの活動しとった親戚が目の前で命を奪われてしもたりしてな。何度も死の淵に立ったことで、こないな信念を持つようになったんや。『もし世界が終わるとしたら、幸運だったこと、楽しかったことのすべてを思い出す。悲しいことではなく、人生に意味を与えてくれた喜びのすべてを』」

 

「交通事故に関するこういう実験がある」

(何の話だ?)

 戸惑う僕に向かって、死神は淡々と続けた。

「ある地域で働くタクシー運転手たちにこんな質問をした。『通常は30分で行ける距離を大急ぎで走った場合、何分間短縮できるか?』。ほとんどの運転手たちが『5分から10分短縮できる』と答えた。しかし、急いだ運転と、適切な車間距離を取った運転をしてもらい両者の時間を比べると、平均して『2分45秒』の違いしかなかった。人間は、車を急がせれば『時間を大幅に短縮できる』という錯覚を起こすのだ。結果、短縮できる時間はほとんどなく、事故率だけが大幅に上がることになる」

 

「次の課題はこれやな。

『身近な人に感謝の言葉を伝える』。

自分を身近で支えてくれてる人に対しては、色々してもらうのがあたりまえになってもうてるやろ? でも、『働く』の語源が『傍(はた)を楽にする』て言われるように、傍にいる人の苦労が分かって感謝できるようになれば、世の中の人らの苦労を減らせるサービスも生み出せるようになるんやで」

 

「健康に気を遣うんは、長生きするためだけちゃうで。これまでは面倒くさがってた健康を大事にする習慣を身につけられれば、自分の行動を管理して目標を達成できるようになる。つまり 夢をかなえられるようになるちゅうことや」

 

「死ぬ間際、本当に多くの人間が、健康を大切にしてこなかったことを後悔する。暴飲暴食や過度の喫煙だけではない。体の異変を感じていたのに『気のせいだ』『なんとかなる』と自分に言い聞かせ ほとんどの場合、目の前の仕事を優先するためなのだが 精密検査を受けずに病気を放置し、回復の見込みがなくなってから後悔する者たちのなんと多いことか」

 

 そして死神は、骨の指を一本一本立てながら、人間が死に際に後悔する内容を挙げていった。

 ・本当にやりたいことをやらなかったこと

 ・健康を大切にしなかったこと

 ・仕事ばかりしていたこと

 ・会いたい人に会いに行かなかったこと

 ・学ぶべきことを学ばなかったこと

 ・人を許さなかったこと

 ・人の意見に耳を貸さなかったこと

 ・人に感謝の言葉を伝えられなかったこと

 ・死の準備をしておかなかったこと

 ・生きた証を残さなかったこと

 死神が、一つ、また一つと指を立てるたびに、体が嫌な汗で濡れていくのを感じた。

 生きられる時間が残り少ないと分かったとき、自分の人生に感じた後悔が、死神の言葉と一致していたからだ。

 

「ただ、本来、夢とか成功ちゅうのはな、誰にでもできることを実行し続けるだけで手に入れられるもんやねん。そのことは、夢をかなえた人らはみんな知ってることやねんで。でも、世の中のほとんどの人らは、『こんなことやって意味あるの?』とか『面倒くさい』とか言うてやらへんから、『誰にでもできることを実行し続ければ夢がかなう』ちゅう事実にまでたどりつけへんねんな」