盤上の向日葵 柚月裕子 おすすめ小説
おすすめ度 4.1
埼玉県の山中で身元不明の白骨死体発見された。いっしょに発見されたのは、四百万円はするという名匠の将棋の駒だった。なぜそんな高価な将棋の駒が死体といっしょにあったのか。白骨死体の身元は? ベテラン刑事と新米刑事が、白骨死体の身元と将棋の駒の足取りを追う。
父親から虐待を受けている少年を見るにみかねた近所に住む唐沢は、少年を自宅に誘い将棋を教えたり、食事をご馳走したりし、自分の子供のように可愛がった。
少年は唐沢のおかげで生きる望みを持ち、将棋の腕も上げていった。
少年が大学生になった時に、唐沢は少年のために、貴重な将棋の駒をプレゼントした。
将棋の駒の足取りを追う二人の刑事と、将棋の駒に秘められた少年の生い立ちが、章毎に交互に出てきて、一体どうなるのかが気になり、あっという間に読破してしまいます。
少年の周りにいる腹ただしい大人たち、少年を助けてくれる唐沢が出てくるところだけがほっとできる。そして最後は切なすぎる。