人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

表情の表現、描写を小説から学ぶ

顔の筋肉を止めた

「あたし、藻奈美じゃないのよ」 「えっ?」平介は笑いを浮かべたまま、顔の筋肉を止めた。 秘密 (文春文庫) 作者:圭吾, 東野 文藝春秋 Amazon

顔の筋肉を止めた

「あたし、藻奈美じゃないのよ」 「えっ?」平介は笑いを浮かべたまま、顔の筋肉を止めた。 秘密 (文春文庫) 作者:圭吾, 東野 文藝春秋 Amazon

照らされた横顔は、蝋(ろう)で固めたみたいにかたかった

隘路に吸い込まれる直前、《タレーラン》からもれ出る明かりにほんの一瞬、照らされた横顔は、蝋(ろう)で固めたみたいにかたかった。 岡崎琢磨さんの珈琲店タレーランの事件簿より

関口尚さんのパコと魔法の絵本の表現、描写

パコと魔法の絵本 (幻冬舎文庫) 作者:関口 尚 幻冬舎 Amazon 新館と旧館のあいだにある中庭は、その真ん中に人が憩えるようにと噴水池が造られている。夏を迎えたいま、池は蓮の花が満開だ。池の周りには芝生が植えられ、太陽の光を浴びた芝の緑がまぶしく見…

横山秀夫さんの動機の表現、描写

動機 D県警シリーズ 作者:横山秀夫 文藝春秋 Amazon ひょっとしたら、はにかんだ笑みぐらいは見せるのではあるまいか。そんなふうに思っていたのだ。 だがー。美和は洗い物に目を落としていた。表情は石のように硬い。 激痛。安斎は下腹を押さえた。視界が歪…

表情は石のように硬い

ひょっとしたら、はにかんだ笑みぐらいは見せるのではあるまいか。そんなふうに思っていたのだ。 だがー。美和は洗い物に目を落としていた。表情は石のように硬い。 横山秀夫さんの動機より

アイスクリームが溶けるように顔を崩すと

佐山刑事は瞬間表情を止めて俺のことを凝視していたが、アイスクリームが溶けるように顔を崩すと、まあまあとばかりに掌をひらひらさせた。 東野圭吾さんの同級生より

眉を八時二十分にして首を捻った

「その人、どんな人だった?」と俺は訊いた。 おばさんは眉を八時二十分にして首を捻った。「どんな人っていわれてもねえ」 東野圭吾さんの同級生より

黒くアイシャドウを塗った目が、大きく開かれた。次に彼女は眉間に深い皺を作った

菅野路子の黒くアイシャドウを塗った目が、大きく開かれた。次に彼女は眉間に深い皺を作った。胸が隆起するほど息を吸い込んだ。 「あの子がそんなことするわけありません」激しく首を振りながらいった。 東野圭吾さんのさまよう刃より

十代特有の反抗心が横顔に張り付いている

「どうせ、肝心なところは信用しないくせに」少年はいった。 「えっ、どういうこと?」 だが少年は答えず、横を向いたままだ。十代特有の反抗心が横顔に張り付いている。 東野圭吾さんのダイイング・アイより

平たい顔には表情らしきものが見られない

「大賀に尋ねたところ、会ったこともないし、名前も聞いたことがないということでした」長岡修の顔写真をテーブルに置き、鵜飼和郎は淡白な口調でいった。平たい顔には表情らしきものが見られない。感情を読みにくい男だ、と草薙は思った。 東野圭吾さんの禁…

澄江の顔は蝋のように白く変わっていた

美佐子が振り返ると、澄江の顔は蝋のように白く変わっていた。 東野圭吾さんの宿命より

堂場瞬一さんの長き雨の烙印の表現、描写

長き雨の烙印 (中公文庫) 作者:堂場 瞬一 中央公論新社 Amazon 「イチャモンって、どういうことですか」憤りで東の声がひび割れる。 「お元気ですか? 久しぶりですね」人の心を撫でるような穏やかな声だった。 「庄司智明。知ってますよね」 「庄司って、ま…

添田の喉仏が大きく上下している

添田の喉仏が大きく上下している。貴子は、思わずさとかを抱く腕に力を込めながら、先輩の夫を睨みつけた。 乃南アサさんの未練より

眉間にはひびが入ったような皺が刻まれていた

知世の顔にはシミが目立ち、眉間にはひびが入ったような皺が刻まれていた。 乃南アサさんの未練より

能面のような表情のない白い顔

菜穂は顔を上げて樹を見た。能面のような表情のない白い顔が一心に菜穂をみつめている。 原田マハさんの異邦人(いりびと)より

よく磨かれた紫檀(したん)の座卓にさかさまに映っている顔には表情がなかった

菜穂はうつむいたまま顔を上げない。よく磨かれた紫檀(したん)の座卓にさかさまに映っている顔には表情がなかった。 原田マハさんの異邦人(いりびと)より

その表情には細波(さざなみ)さえ立たなかった

「どこに毒物が仕掛けられていたのかが判明したんです。様々な科学的見地から、浄水器の中と考えて、まず間違いありません」 薫は綾音の顔を凝視したが、その表情には細波(さざなみ)さえ立たなかった。澄んだ目を草薙に向けたままだった。 東野圭吾さんの聖…

明晰な表情がふいに毀(こわ)れた。奥歯が軋むほどに唇を引き結び、きっかりと椿を見据えたまま陽介は答えた

「どこも悪くない人が、どうして病院にいるのかしら」 明晰な表情がふいに毀(こわ)れた。奥歯が軋むほどに唇を引き結び、きっかりと椿を見据えたまま陽介は答えた。 「おばさんのことはよく知らないけど、ぼくはおじいちゃんと約束をしました。男と男の約束…

ふっと口の端を曲げた

「あら、海外の話をしたいなら、いくらでも付き合うわよ。この間だって、ドバイに行ってきたんだから」祥子が対抗するようにいう、 「そうですか。だったら、今度是非」優磨は受け流し、ふっと口の端を曲げた。 東野圭吾さんの危険なビーナス

無数の皺が曲線を描いたままで固まった

仙波の顔が泣き笑いするように歪んだ。無数の皺が曲線を描いたままで固まった。唇がぴくぴくと震えている。 東野圭吾さんの真夏の方程式

顔つきが、途端に険しくなった。目元の陰影が濃くなっている

急に表情が険悪になる表現 「秋葉、釘宮真紀子さんって知ってる?」 柔和だった彼女の顔つきが、途端に険しくなった。目元の陰影が濃くなっている。 「本条麗子さんの妹でしょ。あなた、どうして知ってるの?」 東野圭吾さんの夜明けの街でより

ブラックコーヒーの苦みがそのままこびり付いたような眉間のしわだけが

眉間のしわの表現 「ハルーねぇねぇハルハルー」 話しかけても、ハルは携帯を見つめたまま顔をあげてくれない。ブラックコーヒーの苦みがそのままこびり付いたような眉間のしわだけが、オレを見ている。チビだし茶髪だし軽そーにしゃべるし、ハルはオレのこ…

顔から感情が消えた

「大樹、それはええな。ほな、ついでに教えてくれ。なんで、大阪の叔母さんのところに行かへんねん? ここに残りたい理由はなんや」 大樹の顔から感情が消えた。暫くじっと考え込んでから、「僕、逃げたくないんです」とぼそりと言った。 真山仁さんの海は見…

まるでそういう型にセメントを流し込んで作ったかのようなつるりとした無表情

クールな表情の描写 「次の方、どうぞ」 議長の声に、知子は我に返る。席に戻った議長の顔は、また、まるでそういう型にセメントを流し込んで作ったかのようなつるりとした無表情に戻っていた。 朝井リョウさんの世にも奇妙な君物語より

ロボットのような無表情さだった

無表情の表現 「中耳炎ですね。鼓膜を切って、膿を出せば痛みも楽になるでしょう」と耳鼻科医が言った。いつもと同様の、ロボットのような無表情さだった。 伊坂幸太郎さんのバイバイ、ブラックバードより

まるで青梅みたいに表情を固くしたまま

緊張した表情の表現 午後、昨日とほぼ同時刻に、おかっぱ頭の梢ちゃんは、まるで青梅みたいに表情を固くしたまま食堂かたつむりへとやって来た。 小川糸さんの食堂かたつむりより

緊張の糸の結び目が緩んだような、ほっとした表情

ほっとした気分の表現 ココアの湯気の中で、梢ちゃんは一瞬だけど、緊張の糸の結び目が緩んだような、ほっとした表情を見せてくれる。 小川糸さんの食堂かたつむりより

陰気な表情が鉄錆のように顔にこびりついている

暗い顔をしてちゃいけないな、と直貴は鏡に向かって呟いた。長い間、特に剛志の事件があってからは辛いことばかりだったので、陰気な表情が鉄錆のように顔にこびりついている。しかしそれでは人に好感を持たれることは少ない。 東野圭吾さんの手紙より

アルコールで頬を染めながらも

酒の入った表情の表現をおすすめ小説から学ぶ 早々と酔っ払った沖野の口をついて出てくるのは、いつしか愚痴ばかりになっていた。 沙穂がアルコールで頬を染めながらも、いつもと変わらない物腰で聞き役に回ってくれているのをいいことに、沖野は溜まってい…