人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

2020-07-07から1日間の記事一覧

空気の波がふわりとあたしの上を撫でていく

不意に、部屋の空気をかき混ぜるようにトイレのドアが開いて、誰かが出てきた。たぶん、こっちがひーちゃんだ。空気の波がふわりとあたしの上を撫でていく。 朝井リョウさんのもう一度生まれるより

ラムネのビー玉みたいなくりっくりの目

かわいい少年の表現 ラムネのビー玉みたいなくりっくりの目してさ、無理した茶髪みたいなのがマジ童貞 朝井リョウさんのもう一度生まれるより

右目で確認して

栗色の巻き髪がなんとなく女子のリーダーっぽい位置で「クラスのメーリス作ろー!」と言い出したのを右目で確認して、あたしはペットボトルのキャップをひねる。女子のリーダーやりたがるやつって、どう考えても、むり。大学生になってまで、そういうことし…

宝石みたいに光る長い黒髪と、アイラインもいらない猫のような強い瞳

きれいな女性の表現 ぴったり揃った前髪と、宝石みたいに光る長い黒髪と、アイラインもいらない猫のような強い瞳は、どう考えても誰よりもきれいだった。 朝井リョウさんのもう一度生まれるより

青く澄んだ声を放ち

「教室の入口に集まってるの、邪魔だよ」 ひーちゃんは青く澄んだ声を放ち、背筋をぴしゃりと伸ばしたままあたしの方に歩いてきた。あたしは心の中でその姿に拍手を贈っていた。 朝井リョウさんのもう一度生まれるより

魚から出るあぶらは肉のそれと違ってやさしいにおいをしている

焼いた鮭の表現 「この鮭、あぶらたっぷりすぎない? 揚げてるみたいになってきたけど」 大丈夫なのコレ、なんて言いながらひーちゃんも楽しそうだ。魚から出るあぶらは肉のそれと違ってやさしいにおいをしている。たきたてのごはんのにおいと混ざって、それ…

やさしさが膜を張ったような瞳をしてあたしのことを見ている

ひーちゃんは急に、あたしの背中をそっと撫でるように言葉を放つ。そういう時は必ず、やさしさが膜を張ったような瞳をしてあたしのことを見ている。あたしはそんな時いつも、ひーちゃんの背景が見えなくなって困る。 朝井リョウさんのもう一度生まれるより

音符がそのまま音になったような声

音符がそのまま音になったような声が、ゆっくりと聞こえてきた。ひーちゃんの顔は見えない。 朝井リョウさんのもう一度生まれるより

ブラックコーヒーの苦みがそのままこびり付いたような眉間のしわだけが

眉間のしわの表現 「ハルーねぇねぇハルハルー」 話しかけても、ハルは携帯を見つめたまま顔をあげてくれない。ブラックコーヒーの苦みがそのままこびり付いたような眉間のしわだけが、オレを見ている。チビだし茶髪だし軽そーにしゃべるし、ハルはオレのこ…