人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

風の描写をおすすめ小説から学ぶ

いきなり尖った寒気が鼻を突いてきた

新聞販売店を出て原付をスタートさせると、いきなり尖った寒気が鼻を突いてきた。 中山七里さんの連続殺人鬼カエル男より

夏の名残の風が柔らかく吹き抜けた

いっちみち乃南アサ短編傑作選 (新潮文庫) 作者:乃南 アサ 新潮社 Amazon 門をくぐると夏の名残の風が柔らかく吹き抜けた。

ふるさとの風、心をどこまでも透明にしてくれるこの風を

やっぱり、めぐみさんに見せたかった。そして感じてもらいたかった。ふるさとの風、心をどこまでも透明にしてくれるこの風を。 原田マハさんの丘の上の賢人 旅屋おかえりより

埃っぽい風が顔の高さで時折激しく吹きつけた

廃墟と見まがうほどの静けさである。午後遅い時間、埃っぽい風が顔の高さで時折激しく吹きつけた。 堂場瞬一さんの疑装より

風が尖り始める

社宅の玄関を出た途端、強い風に目蓋を閉じた。十一月も半ばに近づくと風が尖り始める。東北の冬はもう傍まできている。 中山七里さんの護られなかった者たちへより

闇の中でけやきの木がその無数の葉をこすりあわせていた

風だけが我々のまわりを吹きすぎて行った。闇の中でけやきの木がその無数の葉をこすりあわせていた。 村上春樹さんのノルウェイの森より

湿気をふくんだ風が頬をなで、雨が降る直前の甘くほこりっぽい匂いを感じた

湿気をふくんだ風が頬をなで、雨が降る直前の甘くほこりっぽい匂いを感じた。 柚木麻子さんの本屋さんのダイアナより

春が始まったばかりの、しんと冷たくて、それなのに日向くさい風が頬をなでた

カーテンが風にふくらみ、ふんわりと二人を包み込む。教室の喧噪が一瞬遠のき、世界はダイアナと彩子だけのものになった。春が始まったばかりの、しんと冷たくて、それなのに日向くさい風が頬をなでた。 柚木麻子さんの本屋さんのダイアナより

丸い闇からは無機質の造りものめいた風が、ゆったりと流れこんでいた

地下鉄がやってくる気配はなく、丸い闇からは無機質の造りものめいた風が、ゆったりと流れこんでいた。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

換気用の通風口から、ひんやりとした風が細く流れ込んでくるのが感じられる

陽の射し込まない台所にいると、換気用の通風口から、ひんやりとした風が細く流れ込んでくるのが感じられる。 乃南アサさんの未練より

秋の匂いのする乾いた風が長かった夏を吹きさますように

気温は朝早くから三十度にかけあがっていたが、秋の匂いのする乾いた風が長かった夏を吹きさますように、飛行場の草を薙いで翔け抜けていた。 浅田次郎さんの日輪の遺産より

咲きこぼれた春の花花が、芳香を温んだ空気に放っている

うららかな朝の光が、屋敷の廊下にこぼれている。 どこからか、かぐわしい甘い香りが漂ってくる。庭のあちこちで咲きこぼれた春の花花が、芳香を温んだ空気に放っている。 原田マハさんの奇跡の人より

空気の波がふわりとあたしの上を撫でていく

不意に、部屋の空気をかき混ぜるようにトイレのドアが開いて、誰かが出てきた。たぶん、こっちがひーちゃんだ。空気の波がふわりとあたしの上を撫でていく。 朝井リョウさんのもう一度生まれるより

風の描写をおすすめ小説から学ぶ

師走の風がビルの間を音をたてて吹き抜け、街路樹の落葉が足元を、かさかさと舞って行く。 山崎豊子さんの沈まぬ太陽より 車窓を開けると、少しだけ湿り気を帯びた風が頬を撫でた。 中山七里さんの贖罪の奏鳴曲(ソナタ)より 空は鈍色(にびいろ)に濁っていた…