人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

夏の表現、描写をおすすめ小説から学ぶ

穂先が剣のように尖った稲が、天に向かって真っすぐに伸びている。

穂先が剣のように尖った稲が、天に向かって真っすぐに伸びている。 青く晴れ渡った空からは、夏の強い日差しが降り注いでいた。 柚月裕子さんの凶犬の眼より

アスファルトの上では陽炎が揺らめいていた

まだ八時前だというのに、はや陽光はぎらつき、容赦なく静の肌を灼いた。風もなく、朝のニュースではこの夏一番の暑さを記録しそうだという。実際、アスファルトの上では陽炎が揺らめいていた。 テミスの剣 (文春文庫) 作者:中山七里 文藝春秋 Amazon

夏の名残の風が柔らかく吹き抜けた

いっちみち乃南アサ短編傑作選 (新潮文庫) 作者:乃南 アサ 新潮社 Amazon 門をくぐると夏の名残の風が柔らかく吹き抜けた。

桜並木の新緑がみずみずしく輝き

上野周辺の桜並木の新緑がみずみずしく輝き、梅雨を迎える直前の青空が冴え渡ったさわやかな日。 原田マハさんのリーチ先生

手で庇(ひさし)をつくり、陽を遮る

市営住宅から出た。初夏の強い日差しが照りつける。手で庇(ひさし)をつくり、陽を遮る。 柚月裕子さんのパレードの誤算

盆地特有の密度の濃い蒸し暑さを感じる

ビルの向こうに見える涼しげな山並みとは裏腹に、盆地特有の密度の濃い蒸し暑さを感じる。すべてが喉に詰まるようだった。 凪良ゆうさんの流浪の月より

夏空は宇宙が透けて見えそうなくらいに青く

夏空は宇宙が透けて見えそうなくらいに青く、周囲の緑の山々はまぶしくきらめいていた。無数の蟬たちは、空間を歪めそうなほど旺盛に鳴いている。 森沢明夫さんのおいしくて泣くときより

地面からはもわもわと水蒸気が立ちのぼっていた

昨夜から今朝まで降り続いた雨のせいで、濡れたアスファルトは黒々と光り、地面からはもわもわと水蒸気が立ちのぼっていた。 森沢明夫さんのおいしくて泣くときより

目がチカチカするほど白い陽光

外は、夏が沸騰していた。目がチカチカするほど白い陽光が、Tシャツから出た俺の腕を焦がしはじめる。 森沢明夫さんのおいしくて泣くときより

夏空はキーンと音がしそうなくらい青く、天高く盛り上がる入道雲は怖いほどに大きかった

ぎらつく太陽は砂浜とアスファルトを焦がし、世界は蝉の声で溢れていた。夏空はキーンと音がしそうなくらい青く、天高く盛り上がる入道雲は怖いほどに大きかった。 森沢明夫さんのおいしくて泣くときより

街路樹の茂みで啼いている蝉の声が、蒸し暑い空気と共に雪崩れ込んできて

店のドアが開くと、こんな日にも街路樹の茂みで啼いている蝉の声が、蒸し暑い空気と共に雪崩れ込んできて、すぐに閉め出された。 平野啓一郎さんのある男より

夏の終わりの太陽が作る濃密な影に立ち向かうように

夏の終わりの太陽が作る濃密な影に立ち向かうように、バリスタは橋の下へとずんずん歩み出て、健斗君よりひと回りも体格のいい三人組の正面に迫った。 岡崎琢磨さんの珈琲店タレーランの事件簿より

焼けつくような日差しが体の芯にまで達していた

アスファルトの照り返しがきつかった。焼けつくような日差しが体の芯にまで達していた。 横山秀夫さんの動機より

街はうだっていた。焼けたアスファルトが陽炎に歪み

街はうだっていた。焼けたアスファルトが陽炎に歪み、そこを歩く誰もが、もはや今年の猛暑を疑っていない顔だった。 横山秀夫さんの動機より

むっとするような熱気に身体を包まれた。背中から汗が噴き出す

長野駅のホームに立つと、むっとするような熱気に身体を包まれた。背中から汗が噴き出す。信州は涼しいはずだと決めてかかっていたことを後悔した。 東野圭吾さんのさまよう刃より

風が木々の若葉を揺らして通り過ぎていく

ゴールデンウィークの初日。新緑がまぶしい曰比谷公園近くのカフェに、同期の奈菜、美和、そして千華とともにテーブルを囲む。 思わずうーんと伸びをしたくなるようないいお天気。風が木々の若葉を揺らして通り過ぎていく。何もかもが新しく、きらめく季節。…

額に手を翳して顔をしかめ、やおらTシャツの裾を捲り上げて胸の近くまで素肌を晒した

私鉄N駅の改札を出た三日月顎の若い男は、額に手を翳して顔をしかめ、やおらTシャツの裾を捲り上げて胸の近くまで素肌を晒した。その半裸の姿のまま陽炎揺らめく駅裏の舗道をだらしなく歩き、ガードレールに沿って横一列にひしめく放置自転車に目を向けるや…

並木道の青葉が照らされて香ばしい匂いを放つ

日か高く昇り、並木道の青葉が照らされて香ばしい匂いを放つ。 まだ五月なのに、真夏を思わせるような日向くささだ。 柚木麻子さんの本屋さんのダイアナより

地面の発する熱量にはあまり変化がないようだった

日は沈みかけても、地面の発する熱量にはあまり変化がないようだった。 東野圭吾さんの嘘をもうひとつだけより

まとわりつくような湿気が呼吸さえ苦しくさせる日が続き初めていた

ようやく蝉の声が聞こえ始め、木々は濃い緑を茂らせて、まとわりつくような湿気が呼吸さえ苦しくさせる日が続き初めていた。 乃南アサさんの未練より

湿度が高く、厚ぼったい空気が全身にまとわりつく

梅雨入りが近いのか、天気は悪くなかったが湿度が高く、厚ぼったい空気が全身にまとわりつく、嫌な日だった。こういう日が何日も続けば、早くも夏バテでもしかねない。 乃南アサさんの未練より

人々は風の動かぬ華やかな夜の中を

深夜だというのに、歌舞伎町と東口とを往還する人の波は絶えない。人々は風の動かぬ華やかな夜の中を、熱帯魚のように群れをなしていた。 浅田次郎さんの鉄道員(ぽっぽや)より

湿った熱気が腐れ藻のようにまとわりつく晩だった

湿った熱気が腐れ藻のようにまとわりつく晩だった。ゴールデン街の酒場を出たとたん、すえた臭気に胸をつかれて、貫井は遊歩道の植込みに吐いた。 浅田次郎さんの鉄道員(ぽっぽや)より

青ひと色をたたえて広がっている

清々しく晴れ渡った夏の空が、青ひと色をたたえて広がっている。 日が高く昇るにつれ、セミの声が響き始める。最初はしみじみとした音色で、やがて大音量となって、屋敷の中をも満たす勢いだ。 原田マハさんの奇跡の人より

たぎるような炎天を見上げながら顎を拭った

坂道を登りつめたあたりで、真柴司郎はたぎるような炎天を見上げながら顎を拭った。 浅田次郎さんの日輪の遺産より

足もとに落ちる黒い影。俺は首筋に熱を感じながら

足もとに落ちる黒い影。俺は首筋に熱を感じながら、次の配達先に向かった。 坂木司さんのワーキング・ホリデーより

夏特有のむっとする空気が肺になだれ込む

階段を上がって店を出ると、夏特有のむっとする空気が肺になだれ込む。 坂木司さんのワーキング・ホリデーより

アスファルトに落ちる濃い影をうんざりと眺める

真夏の影の表現 もう少し暑くない日だったらよかったのに、とアスファルトに落ちる濃い影をうんざりと眺める。 「いや、暑いねぇ」 有川浩さんの植物図鑑

アスファルトに濃い影の落ちる真夏日だった。街路樹の影を自然と足が選ぶ

真夏の影の表現 上司のお供で外回りだったその日は、アスファルトに濃い影の落ちる真夏日だった。街路樹の影を自然と足が選ぶ。 有川浩さんの植物図鑑

昼間のうちにたっぷりと焼かれたアスファルトが、蒸気と共に発し続けている

夏の暑さの表現 夕方の五時を過ぎたというのに、気温は一向に下がってくれなかった。路面からの照り返しはさすがに和らいだが、昼間のうちにたっぷりと焼かれたアスファルトが、蒸気と共に発し続けている。 東野圭吾さんの真夏の方程式