人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

2021-03-21から1日間の記事一覧

胡乱(うろん)な目つきで真次を睨みながら過ぎて行った

永田町駅から引き返してきた中年の女が、胡乱(うろん)な目つきで真次を睨みながら過ぎて行った。階段を気に留めた様子はない。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

骨と筋ばかりの掌を真次に向けて差し出した

「ああ。若い者はそうしたまえ。決して回り道ではない。そう考えてはならんよ」 のっぺいは言いながら、骨と筋ばかりの掌を真次に向けて差し出した。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

母がこんがらがった記憶の糸玉を抱えて

兄のことを懐かしみ語り合う相手は、自分しかいないのだ。母がこんがらがった記憶の糸玉を抱えて、自分の帰りを待ちわびているような気がした。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

猛禽類のような目を真次は忘れない

いったい何を言おうとしたのか、黙って息子たちを睨みつけた父の、猛禽類のような目を真次は忘れない。それは冷ややかな、悲しみなどかけらもない、獣の目だった。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

こつこつ入歯を鳴らして、のっぺいは笑った

こつこつ入歯を鳴らして、のっぺいは笑った。 「一日歩き詰めても、荷物は軽くならんか。不景気なんだねえ」 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

丸い闇からは無機質の造りものめいた風が、ゆったりと流れこんでいた

地下鉄がやってくる気配はなく、丸い闇からは無機質の造りものめいた風が、ゆったりと流れこんでいた。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

答えるかわりに皺を深めて笑った

のっぺいはステッキを顎に載せたまま、答えるかわりに皺を深めて笑った。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

前歯の欠け落ちて空洞に見える口を開けて、老人は笑った

前歯の欠け落ちて空洞に見える口を開けて、老人は笑った。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

背負ってきた冬の匂いが、ひんやりと真次の頬に伝わった

重そうな古外套の背を屈め、ステッキにすがるようにして、のっぺいはベンチに腰を下ろした。背負ってきた冬の匂いが、ひんやりと真次の頬に伝わった。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

乾いた、土鈴を振るような声で野平老人は訊ねた

マフラーを引き下げると、老人は真っ白な口髭を横に引いて微笑んだ。 「君は、二次会には行かないのかね」 乾いた、土鈴を振るような声で野平老人は訊ねた。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

老人は真っ白な口髭を横に引いて微笑んだ

ふいに人の気配を感じて頭をもたげると、厚いマフラーで顔の半分をくるんだ老人が立っていた。 「ああ、野平先生ーー」 マフラーを引き下げると、老人は真っ白な口髭を横に引いて微笑んだ。 「君は、二次会には行かないのかね」 乾いた、土鈴を振るような声…

予知夢 東野圭吾 おすすめ小説

予知夢 (文春文庫) 作者:圭吾, 東野 文藝春秋 Amazon おすすめ度 3.8 感動する ☆☆ 笑える スリル ☆☆ ほっこり ビックリ ☆☆☆☆ 先が気になる ☆☆☆☆☆ ためになる ☆ 心に残る ☆☆☆ 切ない ☆☆☆ 怖い ☆☆☆ 重い ☆ すいすい読める ☆☆☆☆ あらすじ ガリレオシリーズ短編…