人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

冬の表現、描写をおすすめ小説から学ぶ

いきなり尖った寒気が鼻を突いてきた

新聞販売店を出て原付をスタートさせると、いきなり尖った寒気が鼻を突いてきた。 中山七里さんの連続殺人鬼カエル男より

凍った空気の中にある

バス停までひたすら駆け足。二月の朝はまだ暗く、凍った空気の中にある。 一分間だけ (宝島社文庫) 作者:原田 マハ 宝島社 Amazon

白い息を吐いて薄水色の空を見上げ

片手に握り飯を持ったまま、白い息を吐いて薄水色の空を見上げ、翔人はふと、初めてこの村に来た日のことを思い出した。 乃南アサさんのしゃぼん玉

革靴の跫音(あしおと)が、アスファルトの歩道に、乾いた音を響かせていた

雪こそ降っていなかったが、曇り空で風が冷たく、自然と速くなる革靴の跫音(あしおと)が、アスファルトの歩道に、乾いた音を響かせていた。 平野啓一郎さんのある男より

鉄製の柵の冷たさが、ジーンズの生地を易々と通過して肌に伝わる

腰を預けた鉄製の柵の冷たさが、ジーンズの生地を易々と通過して肌に伝わる。 岡崎琢磨さんの珈琲店タレーランの事件簿より

きんと冷えた新しい朝、吐く息の白さまでもが蘇った

今朝、霜柱を踏みしめたとき、紫紋の脳裏をかすめたふたつの風景があった。 広々とした故郷の畑。初霜が降りた日、思う存分踏みしめて遊んだ少年の日。きんと冷えた新しい朝、吐く息の白さまでもが蘇った。 原田マハさんのまぐだら屋のマリアより

霜柱をみつけて、さくさくと足の裏で冬の到来を知る

安物のコートを羽織って出勤する。途中、霜柱をみつけて、さくさくと足の裏で冬の到来を知る。 原田マハさんのまぐだら屋のマリアより

僕は少し寒さに震えながら、痺れるような指先だけで

僕は少し寒さに震えながら、痺れるような指先だけで呆然と雨音を聞いていました。 さだまさしさんの風に立つライオンより

陽は既に陰り、冷たい風が行き場のない枯れ葉を巻いていた

陽は既に陰り、冷たい風が行き場のない枯れ葉を巻いていた。商店街は気の早いクリスマスのデコレーションでけばけばしく飾り立てられている。 横山秀夫さんのルパンの消息より

顔より大きな白い息を吐いている

「警察です。喜多芳夫さんですね」 精悍な二つの顔が折り重なるように隙間を埋め、顔より大きな白い息を吐いている。 横山秀夫さんのルパンの消息より

少し前までは黄金色だったイチョウの葉がすっかり落ちて、細い枝が寂しく揺れていた

少し前までは黄金色だったイチョウの葉がすっかり落ちて、細い枝が寂しく揺れていた。 柚木麻子さんの本屋さんのダイアナより

背負ってきた冬の匂いが、ひんやりと真次の頬に伝わった

重そうな古外套の背を屈め、ステッキにすがるようにして、のっぺいはベンチに腰を下ろした。背負ってきた冬の匂いが、ひんやりと真次の頬に伝わった。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

身を切るような寒さと低い鈍空(にびぞら)しか記憶にはない

ほんの一分が二分、いったい何を話したのか、身を切るような寒さと低い鈍空(にびぞら)しか記憶にはない。節子は僕のうしろに、所在なさげに佇んでいた。 浅田次郎さんのおもかげより

空気はきんと冷えて、吐く息は白く見えたが、クリスマスを待ちわびる人々の顔は輝いていた

シャンゼリゼ大通りには早々とクリスマス市が立ち、ガラス製のツリーのオーナメントやキャンドルを買い求める人々でにぎわっている。空気はきんと冷えて、吐く息は白く見えたが、クリスマスを待ちわびる人々の顔は輝いていた。 原田マハさんの暗幕のゲルニカ…

トレードマークの丸眼鏡が真っ白に曇っている

「相変わらず君は熱心な読者のようだね、ヨーコ。ありがたいこった」 広げた新聞の向こう側で声がした。「ニューヨークタイムズ」のカイル・アダムスが分厚いコートを着たまま立っていた。トレードマークの丸眼鏡が真っ白に曇っている。瑶子は思わず笑ってし…

川面を渡ってくる北風に身をすくめながら

川面を渡ってくる北風に身をすくめながら、真柴はまっすぐに病院を目ざした。 浅田次郎さんの日輪の遺産より

曇った車窓を指先でこすってみる。宵闇が迫り、色をなくした川沿いの風景に、点々と雪が灯っていた

曇った車窓を指先でこすってみる。宵闇が迫り、色をなくした川沿いの風景に、点々と雪が灯っていた。 原田マハさんの異邦人(いりびと)より

ぴしゃりと平手打ちするかのような夜気があった

駅構内から出てきた一輝は、身震いをして、トレンチコートの襟を立てた。 底冷えする冬のなごりが夜の空気にはあった。湿った花の香りとともに、ぴしゃりと平手打ちするかのような夜気があった。 原田マハさんの異邦人(いりびと)より

まるで狂暴な肉食獣の牙みたいな氷柱が、何本も何本も恐ろしげに垂れ下がっている

まるで狂暴な肉食獣の牙みたいな氷柱が、何本も何本も恐ろしげに垂れ下がっている。けれどこれだって、いつかは必ず消えてなくなるだろう。 小川糸さんのにじいろガーデンより

冬の表現、描写をおすすめ小説から学ぶ

師走の風がビルの間を音をたてて吹き抜け、街路樹の落葉が足元を、かさかさと舞って行く。 山崎豊子さんの沈まぬ太陽より サンダルを突っかけて表に出る。息が白く凍る。 有川浩さんの塩の街より 尖った寒気が鼻腔を突き刺した。 中山七里さんのヒートアップ…