人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

2021-05-07から1日間の記事一覧

複雑な骨組みとのど仏が浮いていた

背の高い男が白い歯をこぼしてこちらを覗き込んでいた。色白の顔は少々不健康そうだが、目鼻立ちは整っていた。年齢に対して目の周りには皺が多く、それが優しげにも艶っぽいようにも思えた、Vネックのニットから見える痩せた首筋には、これまで彩子が一度も…

コロッケを取り出し、さくりと歯を立てた。じゃがいもはほくほくと甘く、衣は香ばしい

「ほら、もってけよ。揚げたて! 一個やっから」 武田君に無理矢理押しつけられた油染みのある紙袋はほんのり温かい。親子面談前にこんなもの持たされても困る。早く食べてしまわねば、と仕方なくコロッケを取り出し、さくりと歯を立てた。じゃがいもはほく…

とろんとした桃色で満たしている

長い廊下には九月の夕日が差し込み、とろんとした桃色で満たしている。校庭のヒマラヤ杉がグラウンドに複雑な形の影を伸ばしていた。 柚木麻子さんの本屋さんのダイアナより

明るい光が心に差した

思いがけない申し出に、明るい光が心に差した。先ほどまでの追いつめられた気分が薄れていくようだ。 柚木麻子さんの本屋さんのダイアナより

銀縁眼鏡の奥の思慮深そうな目を細めて

人の気配に顔を上げると、文芸部顧問の高柳修太郎先生が、銀縁眼鏡の奥の思慮深そうな目を細めて、こちらを覗き込んでいた。白髪まじりの髪がさらさらと柔らかそうだ。 柚木麻子さんの本屋さんのダイアナより

つぶらな瞳とふっくらした桜色の唇は甘くたおやかな

つぶらな瞳とふっくらした桜色の唇は甘くたおやかなのに、格好のいい顎やぴんと伸びた背筋には芯の強さと知性が感じられ、草原にすっくと咲くあやめのようだ。 柚木麻子さんの本屋さんのダイアナより

白い肌とつやつやした黒髪、すらりとした長身

古風なブラウスとモスグリーンのベストにプリーツスカートの制服は、白い肌とつやつやした黒髪、すらりとした長身を最大限に引き立てていた。 柚木麻子さんの本屋さんのダイアナより

湿気をふくんだ風が頬をなで、雨が降る直前の甘くほこりっぽい匂いを感じた

湿気をふくんだ風が頬をなで、雨が降る直前の甘くほこりっぽい匂いを感じた。 柚木麻子さんの本屋さんのダイアナより