東野圭吾さんの魔力の胎動の表現、描写

魔力の胎動 (角川文庫)

 

　受け取った地図を円華は見つめた。ひっきりなしに動く目は真剣そのものだった。

 

　目の奥に不気味な光を宿らせた人物だった。強く見つめられると、瞳の奥に吸い寄せられるような感覚があった。

 

　顔が小さくて顎が細く、やや吊り上がり気味の目が印象的だ。

 

　ぴったりとしたパーカーが、細身の体つきを一層華奢に見せていた。

 

　逆三角形の背中には無駄な肉が全くなく、代わりに見事な背筋が緩やかな曲線を形作っていた。それを見るとナユタは、いつも飛行機の翼を連想する。