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五十代になった篤子は老後の生活が不安で仕方ない。
老後の資金が足りないことに頭を悩まされる。
思った以上に娘の結婚費用がかかり、舅姑の葬儀費用や老人施設にもお金がかかる。
あげくに夫婦揃って仕事を解雇されてしまう。定年後に当てにしていた退職金も出ない。
篤子は職探しや節約にと頭を悩ませるが夫の章がのんびりしている事に苛立つ。
あれこれ不安に思うより自分が幸せになれることを考えて行動することが大事だと思いました。
後藤篤子は娘のさやかの結婚式に六百万円もの費用がかかることに納得がいかない。たったの数時間でこれまで汗水流して稼いだお金が消えてしまうのだ。さやかの婚約者の実家がスーパーマーケットのチェーン店を手広く経営しているので、会社の接待の場にもなるためだと聞かされたが、それなら折半ではなく婚約者側が多く負担してほしいと愚痴をいう。見栄っ張りの夫の章は、さやかが後々嫌な思いをするかもしれないから応じるべきだと言う。
これで老後の資金が減ってしまう。
舅と姑は浅草で老舗和菓子屋の和栗堂を営んでいたが、店を閉め義妹の住む九十九里へ引っ越していた。
浅草の土地が二億円で売れたが、舅と姑の贅沢三昧と高級老人施設の入居費用でそれは消えた。篤子たちの手元に入ることはなかった。反対に舅と姑が高級老人施設に入居しているため、その費用としてとして毎月九万円を送っている。義妹の家で面倒見れぱいいと思う篤子だが、嫁の立場からは言えない。夫に話すが及び腰だ。
その後、舅が亡くなり葬儀費用に二百万円を出費した。
友人のサツキは息子の結婚式は地味婚、舅の葬儀も家族葬で費用は安くすんでいた。サツキは倹約家でありながら楽しく生きていることが羨ましく思う。
篤子の方は一千二百万あった貯金から娘さやかの結婚式で五百万、舅の葬儀と墓で四百万円を使い残り三百万円を切った。
このタイミングで夫婦揃って解雇され、退職金も出ない。失業保険が切れたらこの先どうなるのだろうか。
篤子は節約できるものは徹底的に節約するようにした。姑に送っている九万円は送れないことを義妹に伝えてほしいと夫に頼むが夫は乗り気ではない。篤子は苛つきながら自分で義妹に訴えることにした。
結局、姑を引き取るということで決着した。
姑といっしょに暮らすことに不安を感じていたが、姑の本音を聞いてから好転していく。