エレベータで十階に上がり、1025号室のドアをノックした。間もなくドアが開き、二十センチほどの隙間から、緋田の眼光鋭い顔が覗いた。
「間違いありません」
その短い一言は、銅鑼(どら)のように緋田の頭で鳴り響いた。だが彼は、身体がぐらつきそうになるのを懸命に堪えた。
世津子は困ったように眉の両端を下げた。
エレベータで十階に上がり、1025号室のドアをノックした。間もなくドアが開き、二十センチほどの隙間から、緋田の眼光鋭い顔が覗いた。
「間違いありません」
その短い一言は、銅鑼(どら)のように緋田の頭で鳴り響いた。だが彼は、身体がぐらつきそうになるのを懸命に堪えた。
世津子は困ったように眉の両端を下げた。