人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

阪急電車 有川浩 おすすめ小説

内容 あらすじ

阪急電車今津線の各停車駅で起こる小さなドラマです。初々しい男女の出会いや結婚にやぶれた女性の討ち入り、DVに苦しむ女性の話など。各駅のストーリーが短編でありながら、少しずつ重なり、私に小さな感動を与えながら宝塚駅から西宮北口駅へと向かっていきます。

そして折り返し

西宮北口から宝塚へ。前半から半年。みんなの心や生活に変化が起こっています。私の小さな感動が大きくなりながら阪急電車西宮北口駅から宝塚駅へと向かっていきます。

書き出し

 阪急宝塚駅は、梅田(大阪)へ直接向かう宝塚線と、西宮北口神戸線へ連結する今津線が『人』の形に合流している駅だ。これにJR宝塚線も乗り換えができるようになっており、やや地方の山間(やまあい)としては鉄道三線が合流するささやかに大きいジャンクションとなる。

 関西圏では大きな私鉄グループとなる阪急は、えんじ色の車体にレトロな内装が個性的な車両を各沿線に走らせており、鉄道マニアの人気が高いことはもちろん若い女性からも「かわいい」と好評を博している。女性観光客などは「オシャレ!」とびっくりするほどだ。

 そしてこの物語は、そんな阪急電車各線の中でも全国的知名度が低いであろう今津線を主人公とした物語である。

宝塚駅

征志が宝塚線から隣り合わせて座った女性は、清荒神駅にある図書館でよく見かける女性で、征志のタイプの女性でもあった。彼女が逆瀬川駅で下りるまで、少し会話することができた。彼女が逆瀬川駅で降りた後。このまま別れたくない。今しかないと征志は、彼女を追いかけた。

宝塚南口駅

翔子は宝塚ホテルでの結婚式に出席した帰り道。宝塚南口駅で西宮北口駅行きの電車に乗り込んだ。

出席した結婚式の新郎は元カレ、結婚間近までいっていたのに、今日の新婦に奪われてしまったのだ。

今日は新郎新郎への腹いせに嫌がらせ、呪いのために出席した。

車内で座るカップルの女性が逆瀬川駅で降りたあと男性が追いかけていった。恋のはじまるタイミングは今はきつすぎる。

逆瀬川

時江と孫娘亜美は宝塚駅にあるドッグガーデンに行った帰り、逆瀬川の100円均一ショップにより、逆瀬川駅から電車に乗り込んだ。

きれいな女性だが怖い顔をしている。引き出物を持っているので結婚式に出席した帰りだろう。しかし、純白いドレスを来ている。花嫁でもないのに白いドレスを来て結婚式に出席するなんて、訳ありだなとわかった。

時江は彼女にちょっとアドバイスした。呪いの気持ちは適度に。小林駅はいい駅だから途中下車してみたら気持ちが晴れると。

小林駅

いい駅だからと言われて降りたが、特別なにもなかった。

その時、ツバメの巣をみつけた。ツバメの巣のしたに貼り紙に書かれた言葉を見て感動する。それから駅近くのスーパーの入口にもツバメの巣があり、そこでのある工夫にまた感動。

あの老婦人がいい駅だと言った意味がようやくわかった。

この駅に降りて、翔子の気持ちに変化があった。老婦人のいう通りいい駅だった。翔子の討ち入りは終わった。

仁川駅

小林駅で降りていった女性の白いドレスを見て結婚式の常識について話題になったミサとカツヤ。

カツヤはミサから常識がないと言われて怒りだす。怒りだすと手のつけられないカツヤは、いつもミサに暴力をふるう。その怒鳴り声に車内にいた小さな女の子は泣き出してしまった。

カツヤは不機嫌なまま一人で仁川駅で降りて阪神競馬場へ行くという。本当は西宮北口の不動産で物件を探す予定だった。

ミサが止めるがカツヤは仁川駅で降りてそのまま立ち去る。

泣いていた女の子といっしょだった老婦人が一言ミサにいう。

「下らない男ね」

そこでミサが別れの決意をする。

東園駅

ミサはカツヤと別れる決意をしたが気持ちは揺れていた。甲東園駅から乗ってきた女子高生たちは恋バナで盛り上がっていた。えっちゃんという娘の彼氏が五歳年上のサラリーマンということで、他の娘が興味深そうに訊いていた。社会人と付き合うなんて凄いというみんなに対し、えっちゃんは、彼氏は社会人だけど、けっこうアホだという。その後は、その彼氏のアホさぶりで盛り上がっていた。

ミサはえっちゃんの話を聞きながら、その彼氏のアホさぶりより、えっちゃんへの優しさを感じていた。自分の彼氏のカツヤとは全然違う。えっちゃんの彼氏はいい彼氏だ。自分より年下の女子高生のほうが男を見る目がある。自分の別れる気持ちがこれで固まった。

門戸厄神

圭一が車内で女子高生のおしゃべりを聞いてるうちに門戸厄神駅に到着した。乗り込んできた乗客の圧力を避けようとしたショートカットの女の子が圭一にぶつかった。鞄から覗く本に圭一は見覚えがあった。自分の通う大学の教科書だ。彼女は同じ大学で同じ講座を受けている。

あることがきっかけで二人とも異性には慣れていないが会話がはずむ。西宮北口についた。圭一はもう少し彼女と話したいなと思う。彼女はゴンちゃんこと権田原美帆という。

西宮北口駅

西宮北口について翔子がコンコースを歩いていると、オヤジにぶつかられて転倒した。オヤジはそのまま行ってしまうし、周囲の客も助けることなく通り過ぎていく。

「大丈夫ですかぁ? ひどかったよね~」と声をかけてくれたのは、車内でおしゃべりしていた女子高生の集団だった。

ミサは電車のなかでの女子高生の恋バナを聞いてカツヤと別れる決心をした。ここから神戸線に乗り換え六甲にあるカツヤの自宅から私物を持ち帰ろうときめる。

圭一はゴンちゃんこと権田原美帆とこのまま別れるのは名残惜しいと彼女を誘うことにする。

そして折り返し。

半年が経ち、それぞれの生活に変化が出てきています。

初々しく芽生えた恋は発展していくのか。DV男からの別れは? 結婚式に討ち入りに行ってから心の整理はついたのだろうか?