高く澄みきった空に、鱗雲が浮かび、秋風がたつ季節になった。
薄暗い空の彼方に、ぽつんと紅い点のようなものが浮かんだかと思うと、みるみる丸く膨らみ、側峰のマウェンジ峰の背後から、オレンジ色の光輪を放った。雲海を押し分け、空一面を紅く染めて、太陽はぐいぐいと昇って行く。荘厳な日の出の一瞬であった。
オフィスの窓から見える高い空の遠くに、黒いカーテンのような雨雲が垂れ下がったかと思うと、ざっと雨が降り出し、みるみる、辺りが暗くなった。
濃厚なブルーの空に、雪山のような雲が動き、果てしない草原に、灼けつく太陽の陽炎が波打っている。視界を遮る何ものもない。
日差しはもう夏に近い。窓の外に覗く空には、積乱雲が元気に伸び上がっている。
いい日和りだ。
厚い雪雲に遮られた陽光が更に翳りを増す。
空は鈍色(にびいろ)に濁っていた。頬に刺さる風は尖っていて、今にも雪がちらつきそうに思える。
外に出ると、鈍色(にびいろ)だった空は黒さを増していた。
外はでっかい太陽が西の空ぎりぎりに浮かんで、家の前の通りをオレンジ色に照らした。
駅から伸びる緩やかで長い坂道。もうすぐ春を迎える空から、暖かい日差しが遠慮がちに降っている。
暗幕が風に揺れる。雲が増え、ほとんど星は見えなかった。
午後四時近い。陽がだいぶ陰ってきている。陰気な色のちぎれ雲が速足で駆けていく。風が出てきた。
厚く明るい雲が、空一面を覆っていた。雨の心配はなさそうだが、陽が顔を出す気配も感じられない。
「やれやれ」八田は帽子を被り整え、細長く切り取られた空を見上げた。
ちぎれ雲が速足で駆けていく。
一筋の雲が空の高み目指して伸びているのが見えるだけで、久しぶりに晴れ上がった秋の一日になりそうである。
川沿いの遊歩道を歩きながら、夕焼けで真っ赤に染まる空を見上げた。
空を見上げる。街灯の光の中で、大きな雪の粒が乱舞していた。雪の照り返しを受けて、心なしか街灯が明るくなっているように思えた。
空気が重く、湿り気を帯びていた。薄い雲が、グレイの絵の具を流したように空を覆い尽くしている。
「へえ」おれは間抜けな声を出した。それほど美しい夜空だった。無限に広く、限りなく漆黒に近いディスプレイに、無数の光源が点在していた。その配置は完璧だった。見つめていると、心が何かに吸い込まれそうになる。
空は陽の支援が切れかかっているようで、濃い色に変わっていく。
薄曇りの空は、万遍なくスプレー塗装したかのように表情はなく、遠近感もなかった。
強風は相変わらずだが、雲が切れはじめ、空が見えてきた。月明かりがふってきて、森を白々しい光で満たす。
それぞれ高度も様子も違う雲たちが、夕日を受け、天空に美しいモザイクを描き出す。