人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

空の描写をおすすめ小説から学ぶ

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 高く澄みきった空に、鱗雲が浮かび、秋風がたつ季節になった。

山崎豊子さんの沈まぬ太陽より

 薄暗い空の彼方に、ぽつんと紅い点のようなものが浮かんだかと思うと、みるみる丸く膨らみ、側峰のマウェンジ峰の背後から、オレンジ色の光輪を放った。雲海を押し分け、空一面を紅く染めて、太陽はぐいぐいと昇って行く。荘厳な日の出の一瞬であった。

山崎豊子さんの沈まぬ太陽より

 オフィスの窓から見える高い空の遠くに、黒いカーテンのような雨雲が垂れ下がったかと思うと、ざっと雨が降り出し、みるみる、辺りが暗くなった。

山崎豊子さんの沈まぬ太陽より

 濃厚なブルーの空に、雪山のような雲が動き、果てしない草原に、灼けつく太陽の陽炎が波打っている。視界を遮る何ものもない。

山崎豊子さんの沈まぬ太陽より

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 日差しはもう夏に近い。窓の外に覗く空には、積乱雲が元気に伸び上がっている。

 いい日和りだ。

有川浩さんの塩の街より

 厚い雪雲に遮られた陽光が更に翳りを増す。

中山七里さんのヒートアップより

 空は鈍色(にびいろ)に濁っていた。頬に刺さる風は尖っていて、今にも雪がちらつきそうに思える。

中山七里さんの贖罪の奏鳴曲(ソナタ)より

 外に出ると、鈍色(にびいろ)だった空は黒さを増していた。

中山七里さんのヒートアップより

 外はでっかい太陽が西の空ぎりぎりに浮かんで、家の前の通りをオレンジ色に照らした。

瀨尾まいこさんの戸村飯店 青春100連発より

 駅から伸びる緩やかで長い坂道。もうすぐ春を迎える空から、暖かい日差しが遠慮がちに降っている。

瀨尾まいこさんの戸村飯店 青春100連発より

 暗幕が風に揺れる。雲が増え、ほとんど星は見えなかった。

沢木冬吾さんの償いの椅子より

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 午後四時近い。陽がだいぶ陰ってきている。陰気な色のちぎれ雲が速足で駆けていく。風が出てきた。

沢木冬吾さんの償いの椅子より

 厚く明るい雲が、空一面を覆っていた。雨の心配はなさそうだが、陽が顔を出す気配も感じられない。

沢木冬吾さんの償いの椅子より

「やれやれ」八田は帽子を被り整え、細長く切り取られた空を見上げた。

 ちぎれ雲が速足で駆けていく。

沢木冬吾さんの償いの椅子より

 一筋の雲が空の高み目指して伸びているのが見えるだけで、久しぶりに晴れ上がった秋の一日になりそうである。

堂場瞬一さんの被弾より

 川沿いの遊歩道を歩きながら、夕焼けで真っ赤に染まる空を見上げた。

垣谷美雨さんの老後の資金がありませんより

 空を見上げる。街灯の光の中で、大きな雪の粒が乱舞していた。雪の照り返しを受けて、心なしか街灯が明るくなっているように思えた。

堂場瞬一さんの雪虫より

 空気が重く、湿り気を帯びていた。薄い雲が、グレイの絵の具を流したように空を覆い尽くしている。

堂場瞬一さんの雪虫より

「へえ」おれは間抜けな声を出した。それほど美しい夜空だった。無限に広く、限りなく漆黒に近いディスプレイに、無数の光源が点在していた。その配置は完璧だった。見つめていると、心が何かに吸い込まれそうになる。

東野圭吾さんのゲームの名は誘拐より

 空は陽の支援が切れかかっているようで、濃い色に変わっていく。

沢木冬吾さんのライオンの冬より

 空はソーダ色で、果てしなく澄み切っていた。ふたつあった雲は、ホイップクリームのように、まだ並んで浮かんでいる。

奥田英朗さんのナオミとカナコより

 薄曇りの空は、万遍なくスプレー塗装したかのように表情はなく、遠近感もなかった。

奥田英朗さんのナオミとカナコより

 強風は相変わらずだが、雲が切れはじめ、空が見えてきた。月明かりがふってきて、森を白々しい光で満たす。

沢木冬吾さんの約束の森より

 それぞれ高度も様子も違う雲たちが、夕日を受け、天空に美しいモザイクを描き出す。

沢木冬吾さんの約束の森より