人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

自然の描写をおすすめ小説から学ぶ

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 アフリカ最高峰のキリマンジャロが、姿を現したのだ。

 白い王冠のような万年雪が山頂を縁どり、その頂きから長い裾をひくように稜線が拡がり、山腹に白い雲がたなびいている。その美しさは、さながらクイーン・エリザベスのような気品と威厳に満ちている。

山崎豊子さんの沈まぬ太陽より

 濃厚なブルーの空に、雪山のような雲が動き、果てしない草原に、灼けつく太陽の陽炎が波打っている。視界を遮る何ものもない。

山崎豊子さんの沈まぬ太陽より

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 近くに沢が流れていて、遠目にも水が澄んでいるのがわかる。近づくと、小さな蟹が岩の上を横切るのが見えた。奥には雑木林が広がっている。

垣谷美雨さんの農ガール、農ライフより

 樹々が生い茂っていて、まるで深緑色のトンネルにすっぽりと包まれたみたいだった。フロントガラスから空を見上げると、葉の隙間から夕焼けに染まった空が見えた。

垣谷美雨さんの農ガール、農ライフより

 どこかで鳥が鳴く。風がススキを揺すり寂しい音を立てた。川の流れはごく細く、はっきりと分かる水音は聞こえてこない。

沢木冬吾さんの償いの椅子より

 急峻な山々に囲まれ、空が狭い。谷の間を細い川の流れが続く。ここまで散々桜田を苦しめた未舗装の道は、冬枯れた雑草の侵食を受けている。

沢木冬吾さんの償いの椅子より

 車を降りて角力灘(すもうなだ)に沈む夕陽を岸壁に並んで眺めた。見る見るうちに青い海が紅色に染まっていく。天国にいるのではないか。海に浮かぶ島影が幻想的で美しく、この世の物とは思えなかった。

垣谷美雨さんの夫の墓には入りませんより

 目の前を、信濃川がゆるゆると流れる。少し濁った水は、幅三百メートルの茶色い布を広げたように見えた。

堂場瞬一さんの雪虫より

 おれは改めて周りに目をやった。丘や谷が薄い闇の中に沈んでいる。手前に広がっているのは何かの畑らしい。

東野圭吾さんのゲームの名は誘拐より

 雨晴海岸に行った。波穏やかな白浜の海岸で、天気がいいから海の向こうに立山連峰が、城壁のように鮮やかに立ちはだかっているのが一望出来た。

奥田英朗さんのナオミとカナコより