この小説をおすすめの理由は
航空幕僚監部広報室で働く空井大祐と鷺谷、比嘉、片山、槙、柚木といった個性的なスタッフと帝都テレビの稲葉リカのヒューマンストーリー。
最初、彼ら彼女らの関係は険悪でギクシャクしたものだったのですが、ページが進むにつれ、少しずつ皆の心を開き、お互いの関係が良くなっていく感じが好きです。胸が熱くなります。一番年下の空井大祐の人柄が周りをそうさせていく。私もそんな人間になりたいと思わせてくれます。
人のつながりの大切さや良さを感じさせてくれて、仕事仲間はいいものだなと思わせてくれる感動作です。
特に後半になると胸の熱くなるシーンが連発します。
自分も職場の仲間たちと頑張って仕事しようと思いました。
また、自衛隊への偏見や報道のあり方など考えさせられる作品です。
テレビドラマ化もされたみたいで、主人公の空井大祐役が綾野剛さん、稲葉リカ役が新垣結衣さん。ピッタリだなと思いました。
プロローグ
空井大祐は戦闘機パイロットになってブルーインパルスに入るのが夢だった。しかし、夢が近づいた時、交通事故に巻き込まれ、パイロットを続けられなくなった。
勇猛果敢・支離滅裂
空井と稲葉の出会うシーン。最初はギクシャク
空井は航空幕僚監部広報室で勤務する。
稲葉リカは自衛隊に偏見を持ったやっかいな帝都テレビのディレクターだ。
空井はそんな稲葉リカのアテンド役になる。パイロットになれなかった広報官空井と記者からはずされたディレクター稲葉リカが、お互いに影響され、少しずつ変わっていく。
はじめてのきかくしょ
空井がはじめて企画書を作成する。比嘉に教えてもらい、稲葉リカに助けてもらう。
稲葉リカとの関係が変わってくる。良い関係になってくる。
夏の日のフェスタ
片山と比嘉の気持ちのすれ違い
片山は比嘉と昔いっしょに大きな企画を成功させたことがある。いずれ、またいっしょにやりたいと別れてから、ここで再会した。また、大きな企画を成功させるチャンスのはずだったが、片山と比嘉の関係はうまくいっていない。片山が一人孤立している。
このままでは片山と比嘉のコンビで企画を成功させることが出来ない。
要の人々
槙の柚木への思いがいい
広報室のメンバーの中で、防大在学期間が重なっているのは槙と柚木だけだ。槙はその頃とは変わってしまった柚木に失望している。なぜ、柚木は変わってしまったのか、そこには槙の知らない卒業してからの柚木の苦悩が原因だった。
神風、のち、逆風
広報室のメンバーにまとまりができ、空井、比嘉、片山でCMを作成する。上出来の上に神風が吹いてこれまでにない実績になる。しかし、その後、逆風にあう。
空井とリカの関係にも溝が入ってしまう。
空飛ぶ広報室
空井に大きな企画が舞い込んでくる。リカの上司の阿久津からブルーインパルスを使って番組を作りたいという。
自分が入りたかったブルーインパルスをPRできることに喜ぶがリカとの関係が修復できていないことに、リカもいっしょに喜んでくれたらなと落ち込む。
企画は順調に進み、阿久津から番組でブルーインパルスを使う企画ができた経緯をきく。
あの日の松島
ここは感動ですよ
この本は、二〇一一年夏に出る予定だったようですが、その年の三月の東日本大震災が起こり、あの日の松島、自衛隊の活動を伝えるために有川浩さんが追加したそうです。
話は
空井は松島に異動になり、リカも部署が変わっていた。
東日本大震災が起こり、松島も被害を受けていた。あの日の自衛隊員の活動を取材するためにリカは松島へ向かい空井と再会する。そこであの日の松島の状況を取材する。自衛隊の活動に感動と感謝の連続です。