人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

建物、街、屋外の表現、描写を小説から学ぶ

まるで黒々とした巨大な卒塔婆のように見える

一息吐いて見据えた先には次の区域、問題のマンション群が控えている。滝見町の端に位置する二十階建ての分譲マンションが六棟、その名をスカイステージ滝見。漸く白みがかった冬空の下に聳え立つマンション群は明かりの点いた窓もなく、まるで黒々とした巨…

夜空に突き刺さる太い柱のように見えた

私が彼を殺した (講談社文庫) 作者:東野 圭吾 講談社 Amazon コンビニの袋を手に、僕はホテルに戻ることにした。出た時とは違う道を帰ったので、ホテルの裏側に出た。塀に沿って歩きながら、僕は建物を見上げた。地上三十階以上ある高層建築ホテルは、夜空に…

歩く度にかんかんと音を立てる階段

歩く度にかんかんと音を立てる階段は端がぼろぼろに錆びている。壁にも無数の罅(ひび)が入っているが一切補修された形跡はない。朽ち果てるに任せている風で、持主の熱意のなさが露骨に表れている。 テミスの剣 (文春文庫) 作者:中山七里 文藝春秋 Amazon

壁のところどころはひび割れ、黒ずんでいる

壁のところどころはひび割れ、黒ずんでいる。屋上にある貯水タンクも、錆びている。ところどころ修復はされているようだが、老朽化が激しい。築四十年は経っているだろうか。 柚月裕子さんのパレードの誤算

街灯らしきものが幾つか列を作っているのが見えた

大分、離れたところに、街灯らしきものが幾つか列を作っているのが見えた。あとは遠くの家々の明かりと、ごく弱い月明かり程度だ。 乃南アサさんのしゃぼん玉

その手すりは皮膚病のように、錆びて塗装が剥げ落ちていた

小さな民間が並んでいる中に、拓実の住んでいるアパートはあった。二階建てで、ひび割れた壁に外階段がついている。その手すりは皮膚病のように、錆びて塗装が剥げ落ちていた。 東野圭吾さんの時生より

住宅街の細い路地に立つ街灯は

住宅街の細い路地に立つ街灯は、携帯電話を片手に、約束に遅れた友人をぽつんと待っているような俯き加減だった。 平野啓一郎さんのある男より

近代的な半官半民ビルは、水色がかったミラーガラスが、刻々流れる雲を映して美しい

Fビルまでは、歩いて五分ほどだ。街並みから頭を突き出した、その近代的な半官半民ビルは、水色がかったミラーガラスが、刻々流れる雲を映して美しい。 横山秀夫さんの陰の季節より

なつかしい風情の入り口の引き戸の横に、土色の肌の大きな壺が置いてあり

なつかしい風情の入り口の引き戸の横に、土色の肌の大きな壺が置いてあり、大ぶりの紅葉の枝が投げこんである。いとも自然に、形よく。染みるようなその赤をみつめるうちに、これは廃屋でも民家でもない、何かの店だ、と紫紋は気づいた。ゆっくりと顔を上げ…

高層ビルが霞んだ空を突き刺すように林立している

周辺には高層ビルが霞んだ空を突き刺すように林立している。 原田マハさんのアノニムより

タワーという名にふさわしく、四角い塔が夜空に突き刺さって見える

やがて建物が見えてきあ。タワーという名にふさわしく、四角い塔が夜空に突き刺さって見える。周りにも超高層マンションがいくつかあり、この一帯だけが異国のようだ。 東野圭吾さんのダイイング・アイより

くすんだ黄土色にしか見えない壁面は、以前はクリーム色と表現できるものだったのかもしれない

四階建ての小さな建物で、くすんだ黄土色にしか見えない壁面は、以前はクリーム色と表現できるものだったのかもしれない。ガソリンスタンドの、高速ワックス洗車と書かれた看板の四角い影が、その壁に貼り付いていた。 東野圭吾さんのダイイング・アイより

外階段の手摺りも、皮膚病のように塗装が剥げて錆び付いている

アパートはその壁面のひび割れや変色具合から、築二十年は経っていると思われた。外階段の手摺りも、皮膚病のように塗装が剥げて錆び付いている。崇史は雅美の後に続いて、その階段を上がった。 東野圭吾さんのパラレルワールド・ラブストーリーより

花が散ったあとの桜の木が青葉をやわらかく揺らしている

錆びついた鉄門近くで、花が散ったあとの桜の木が青葉をやわらかく揺らしている。 ぼんやり点った門前の白熱灯の前で、久美さんはワダカマと私の到着を待っていた。 原田マハさんの本日は、お日柄もよくより

名刺が一枚貼り出してあるだけの錆びついたスチールのドアを、心細くノックする

エレベーターのドアが開いてすぐ左手、鼻がぶつかりそうな距離にドアがあった。『久遠事務所』と名刺が一枚貼り出してあるだけの錆びついたスチールのドアを、心細くノックする。 原田マハさんの本日は、お日柄もよくより

人ひとりがやっと通れるような入口。突きあたりにかろうじて取り付けたようなエレベーター

東京都千代田区平河町にある、極端なまでに細長いビルの入口に立って、私は三階の窓を見上げていた。人ひとりがやっと通れるような入口。突きあたりにかろうじて取り付けたようなエレベーターに乗りこみ、「3」のボタンを押す。 原田マハさんの本日は、お日…

壁面がすべてガラスで出来ているように見える建物

そのオフィスは八重洲にあった。壁面がすべてガラスで出来ているように見える建物の五階が、中岡の目的地だ。ビジネススーツを着こなした数人の男性と共にエレベーターに乗り込んだ。 東野圭吾さんのラプラスの魔女より

錆やペンキの色剥げが目立つ観覧車のフレームを見上げ

錆やペンキの色剥げが目立つ観覧車のフレームを見上げ、響子は十三年分の時間を思う。二十歳の女の子が運命の恋に落ちて結婚してお母さんになる時間。猫の一生が過ぎ去ってしまう時間。 名取佐和子さんのペンギン鉄道 なくしもの係より

ステンドグラスをはめ込んだ木のドア

「骨董バー ゆきこ」 と書かれた丸い看板が現れたのだ。ステンドグラスをはめ込んだ木のドアの前で、三人はしばし顔を見合わせる。 柚木麻子さんのあまからカルテットより

季節外れの銀木犀の白い花が、道しるべのように咲いていた

やがて、誰からともなく腰を上げ、曲がりくねった細い路地を再び歩き出す。季節外れの銀木犀の白い花が、道しるべのように咲いていた。 柚木麻子さんのあまからカルテットより

非常階段が魚の小骨のように張り巡らされている

山岡のコンドミニアムは五階建てで、裏には非常階段が魚の小骨のように張り巡らされている。 堂場瞬一さんの血烙より

ちらほら灯の点きはじめた飲み屋街を抜け、細い路地に入ってくねくね行くと、

ちらほら灯の点きはじめた飲み屋街を抜け、細い路地に入ってくねくね行くと、今にも朽ち果てそうな二階建ての古い木造アパートがあった。裏手の一帯は塀の高い高級住宅が立ち並び、その落差といったらない。 横山秀夫さんのルパンの消息より

押しつぶされそうな湿度とスクランブル交差点のもやもやと湯気の出るような人いきれに

押しつぶされそうな湿度とスクランブル交差点のもやもやと湯気の出るような人いきれに、中学時代、みかげちゃんにくっついて、この街に来た時の戸惑いが蘇る。 柚木麻子さんの本屋さんのダイアナより

透き歯のように所々更地や駐車場になっている通り

透き歯のように所々更地や駐車場になっている通りを抜けると、数台の警察車両が停まっているのが見えた。 薬丸岳さんの死命より

やはり相当古い建物で、茶褐色の壁に蔦が網のようにはりついていた

勇作たちの目的の学舎は、学生たちが行き来するメインストリートからは、かなり離れた場所にあった。やはり相当古い建物で、茶褐色の壁に蔦が網のようにはりついていた。 東野圭吾さんの宿命より

ごつごつした鉄筋の階段がまとわりついている懐かしいデザインだった

灯台もとっくに完成していた。ごつごつした鉄筋の階段がまとわりついている懐かしいデザインだった。 三上延さんの江ノ島西浦写真館より

緩い正確な弧を描いて街灯が並んでいた

泥川の土手道には、緩い正確な弧を描いて街灯が並んでいた。川面からは霧が湧いており、光がぼんぼりのように淡い。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

オフィスの光が幾何学的に並ぶ光景に変わる

夜になると、オフィスの光が幾何学的に並ぶ光景に変わる。自分が住んでいる安いアパートが並ぶ光景と違って、光も無機質で、均一な色をしている。 村田沙耶香さんのコンビニ人間より

画用紙で作った模型のような偽物じみた光景だった

白くて綺麗なビルだらけの街は、画用紙で作った模型のような偽物じみた光景だった。 まるでゴーストタウンのような、ビルだけの世界。日曜の昼間、街には私以外誰の気配もなかった。 村田沙耶香さんのコンビニ人間より

要塞のようなスーパーマーケットがあった

右手に要塞のようなスーパーマーケットがあった。 原田マハさんのキネマの神様より