人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

2021-06-18から1日間の記事一覧

ふっくらとやわらかそうな頬がほころんでいった

ややあって、ふっくらとやわらかそうな頬がほころんでいった。 柚木麻子さんのあまからカルテットより

黒い犬が濡れた鼻を突き出していた

背後で犬の鳴き声がした。振り向くと、民家の門の隙間から、黒い犬が濡れた鼻を突き出していた。薫子と満里子の剣幕におびえたのか、紺色の瞳でこちらを睨みつけ、威嚇するようにキャンキャンと吠えている。 柚木麻子さんのあまからカルテットより

季節外れの銀木犀の白い花が、道しるべのように咲いていた

やがて、誰からともなく腰を上げ、曲がりくねった細い路地を再び歩き出す。季節外れの銀木犀の白い花が、道しるべのように咲いていた。 柚木麻子さんのあまからカルテットより

古いビルに囲まれた細長い青空は、一層高く見える

荒木町は街全体がすり鉢の形にくぼんでいる。谷底に向かって坂道を下りていけば、パノラマのように、斜面にそびえる建物がぐるりと見渡すことができ、咲子は自分がとても小さくなったような気持ちになった。古いビルに囲まれた細長い青空は、一層高く見える。…

まばゆい光か、満里子のコーラ瓶みたいな体の線を浮かび上がらせた

ざっとカーテンが左右に開く。まばゆい光か、満里子のコーラ瓶みたいな体の線を浮かび上がらせた。 柚木麻子さんのあまからカルテットより

頬や唇がとろけるようなピンク色で、はっとするほど女らしい

もともと整った顔立ちの清楚な美人だが、恋人ができてから一層綺麗になった。頬や唇がとろけるようなピンク色で、はっとするほど女らしい。 柚木麻子さんのあまからカルテットより

ざくっと鍵が差し込まれる小気味良い音が玄関に響き、身を硬くする

ざくっと鍵が差し込まれる小気味良い音が玄関に響き、身を硬くする。ドアの開く音に続き、女達の華やかな話し声、ヒールがタイルにぶつかる音が一度に押し寄せてきた。 「由香子ー、いるのー? 悪いけど、昔くれた合鍵使っちゃった」 柚木麻子さんのあまから…

引き込まれるように、そっと手に取った

ふと、雑誌に使われている由香子のプロフィール写真に目が留まる。引き込まれるように、そっと手に取った。 柚木麻子さんのあまからカルテットより

こけた頬に無精ひげがよく似合う

こけた頬に無精ひげがよく似合う。 柚木麻子さんのあまからカルテットより

パソコン画面のファイルを閉じた。かすかなクリック音さえ、無人のオフィスによく響く

薫子は乾いた唇をなめ、パソコン画面のファイルを閉じた。かすかなクリック音さえ、無人のオフィスによく響く。 柚木麻子さんのあまからカルテットより

そばかすと上を向いた鼻を覗かせ

ノンちゃんと出会ったのは、そんな時でした。垣根の間から、ノンちゃんはそばかすと上を向いた鼻を覗かせ、まるでずっと前から友達だったように笑いかけてくれたのです。 柚木麻子さんのあまからカルテットより