2021-06-18 黒い犬が濡れた鼻を突き出していた 動物、昆虫、植物の表現、描写を小説から学ぶ 背後で犬の鳴き声がした。振り向くと、民家の門の隙間から、黒い犬が濡れた鼻を突き出していた。薫子と満里子の剣幕におびえたのか、紺色の瞳でこちらを睨みつけ、威嚇するようにキャンキャンと吠えている。 柚木麻子さんのあまからカルテットより