2020-09-26 白く靄のかかった記憶が、弱々しく形を作り始めた 記憶の表現をおすすめ小説から学ぶ 「あんた、誰」 「私だよ、わたし」老人は自分の鼻の頭を指した。「この家の裏に住んでるイモト。昔よくあんたから、イモのおじさんって呼ばれたよ」 「イモのおじさん……」 伯朗の白く靄のかかった記憶が、弱々しく形を作り始めた。 東野圭吾さんの危険なビーナス