あらすじ
主人公は中学二年の萩原友人。友人はいじめに苦しんでいた。
青空の下、屋上から飛ぶことを考えていた。死んでしまえば、いじめから逃げられる。
青空に飛ぶつもりでいた時にある人物に出会う。
出会ったのは、九回出撃して生きて帰ってきた元特攻隊員の佐々木友次。
佐々木友次は、なぜ生き抜くことができたのか。
友人は佐々木友次について知りたくなり一冊の本を手にした。その本は『陸軍特別攻撃隊』という。
物語は友人の現在の話と『陸軍特別攻撃隊』の内容である佐々木友次の特攻隊員の時代の話が交互に出てきます。
フィクションの萩原友人がノンフィクションの佐々木友次さんに出会うという、フィクションとノンフィクションが合体した小説です。
フィクションとノンフィクションで時代を超えて「生きる」とは何かを問う作品です。
感想
萩原友人のフィクションのストーリーのなかで出てくるいじめのシーンは、胸が痛くなるほどリアルで読むのが辛くなることもありました。
佐々木友次さんのノンフィクションの部分は、本当にこんなことがあったのかと戦争の異常な思考に胸が詰まる思いでした。
前半は読んで楽しいというよりは、苦しく考えさせられながら読んでいました。
後半にもっと感動シーンがあるかと期待しましたが、今一つかなと思いました。