人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

視線、眼差しの表現、描写

値踏みするような視線が全身に突き刺さる

値踏みするような視線が全身に突き刺さるのを感じ、弦は鼻をこすった。 名取佐和子さんのペンギン鉄道 なくしもの係より

女が私の肩越しに闇を睨む

「アイリス? 知ってるけど」 「あの家にはもういないんですね」 「そう、もう……ね」意味深に言って、女が私の肩越しに闇を睨む。「いなくなってから、三ヶ月ぐらいになるかな」 堂場瞬一さんの血烙より

射すくめるような視線

ほっそりとしているが身のこなしが軽そうなアフリカ系アメリカ人で、穏やかな言葉遣いとは裏腹に、射すくめるような視線が警戒心の強さを表していた。 堂場瞬一さんの血烙より

胡乱(うろん)な目付きで睨まれた。

北海道の地図をそのまま描いた第二師団の部隊章はよほど珍しいらしく、高層ビルの一階の面会受付では、ジロジロと胡乱(うろん)な目付きで睨まれた。 浅田次郎さんのハッピーリタイアメントより

曖昧に視線を動かした

「先生、俺たち、わからないことだらけなんですよ。少し聞かせてもらえませんか」 鮎美は頷くでも首を横に振るでもなく、曖昧に視線を動かした。 横山秀夫さんのルパンの消息より

恨めしそうな視線を投げていた

谷川と新田は売店で缶コーヒーを買い、小刻みにすすりながらホームレスの一団に恨めしそうな視線を投げていた。 横山秀夫さんのルパンの消息より

不躾な視線を投げかけ、にやっと笑った

中央の古いソファであぐらをかいている男が不躾な視線を投げかけ、にやっと笑った。 柚木麻子さんの本屋さんのダイアナより

しばし視線が交錯した

長髪なので補聴器をつけているかどうかわからない。人相もコンビニの男と同一人物かどうか確信が持てない。ただ、そのいでたちからこれだけは断言できた。 こいつは変装しているー パソコンを見ていた蒼井がこちらに目を向けた。しばし視線が交錯した。 薬丸…

視線が、そのままふと後ろへ滑った

石丸に声をかけた千歳の視線が、そのままふと後ろへ滑った。 有川浩さんのシアター2より

コーヒーをすすっていた司がカップの縁からちらりと目だけを上げる

「じゃあ辞めたら」 あっさり即答されてスズは言葉を失った。 「……そこ、ふつうもうちょっと悩み聞いたりとか……」 「お前、俺の基本前提を忘れてないか?」 コーヒーをすすっていた司がカップの縁からちらりと目だけを上げる。 有川浩さんのシアター2より

互いに視線が切り結んだ

相手の顔を見るなり互いに視線が切り結んだ。 ー優依である。 お互い腹に一物の顔だ。 有川浩さんのシアター2より

沈んだ目を空中に向けている

彼の顔はにわかに引き締まった。自分の胸の内を深く探るように、沈んだ目を空中に向けている。 三上延さんの江ノ島西浦写真館より

胡乱(うろん)な目つきで真次を睨みながら過ぎて行った

永田町駅から引き返してきた中年の女が、胡乱(うろん)な目つきで真次を睨みながら過ぎて行った。階段を気に留めた様子はない。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

二人の視線が一瞬だけ絡み合ったが

桑原は無言で安生の顔を見詰めた。二人の視線が一瞬だけ絡み合ったが、安生はすぐに目を逸らしてしまった。目の色が暗くなり、唇が不安そうに捻じ曲げる。 堂場瞬一さんの長き雨の烙印より

ぼくは視線を一瞬横に滑らせる

「一目惚れしました!」 彼女の表情は動かない。と思うと、小さく唇が動く。「えっ」と言ったふうに見えた。 ぼくは視線を一瞬横に滑らせる。まわりには誰もいない。よかった。また彼女に目を戻す。 七月隆文さんのぼくは明日、昨日のきみとデートするより

天井に向かってぴたりと視線を貼りつけて、安は夜を過ごした

ほとんど一睡もできぬまま、天井に向かってぴたりと視線を貼りつけて、安は夜を過ごした。 原田マハさんの奇跡の人より

せわしなく視線を巡らせて

せわしなく視線を巡らせて、弔問客の中に菜穂の姿を探した。 原田マハさんの異邦人(いりびと)より

一輝の視線と彼女の視線が、一直線につながった

ふと、彼女が振り向いた。思いがけず、一輝の視線と彼女の視線が、一直線につながった。 その瞬間、心臓に冷たい素手でひやりと触られたような感触があった。 凪いだ湖面のように静まり返った瞳。冬の木立のような凛とした立ち姿。 みつめられて、一輝は、そ…

森の中で見知らぬ獣に出会った子鹿のように、黒い瞳が震えている

おかっぱ頭の……若い娘。 人生は、ぽかんとして彼女の顔をみつめた。赤い丹前を着たおかっぱ娘は、真一文字に口を結んで、人生を見据えている。森の中で見知らぬ獣に出会った子鹿のように、黒い瞳が震えている。人生は、何か言おうとして口を半開きにしたまま…

猪飼は三白眼になった

「あなたは何をどこまでご存じなんですか」慎重に探りを入れた。 「ひと月ほど前に真柴に打ち明かされたことがあるんです。そろそろ相手を替えることを考えている、という意味のことをね。どうやら、ほかに女が出来たらしいと睨んでいたんですが」猪飼は三白…

素早く横目を走らせた

「あなたと真柴義孝氏とのことで、二人で話し合われたそうですね」 「どうしてそれを?」 「草薙ご綾音さんから聞いたそうです。あなたを警視庁に連れていく時に」 宏美が何も言わないので、薫は素早く横目を走らせた。彼女は悄然としてように目を伏せていた…

飲み過ぎて酔いが一回りしちまったような目線は、据わりまくってやけに凄みがある

「ヤマト」 「な、なんだよ」 「ひとつ言っておきたいことがあるの」 飲み過ぎて酔いが一回りしちまったような目線は、据わりまくってやけに凄みがある。俺はがらにもなく気圧されて、飲もうとした水をそのまま元の位置に戻した。 坂木司さんのワーキング・…

白い視線が突き刺さった

「ひぃぃ」 悲鳴を発した安達に、振り返った捜査員たちの白い視線が突き刺さった。 薬丸岳さんの闇の底より

黒目をくるくると動かした

俺の話を聞き、秋山梨乃は黒目をくるくると動かした。 東野圭吾さんの夢幻花より

狡猾な光を宿らせた

氏原は細い目に、商売人特有の狡猾な光を宿らせた。 東野圭吾さんのマスカレード・ナイト

射すくめるような鋭い眼光を放ってきた

新田は尚美に口を挟む暇を与えず早口でまくしたて、射すくめるような鋭い眼光を放ってきた。まるで獲物に食いついた猟犬のようだ。こういう時は、やはり刑事だなと思う。 東野圭吾さんのマスカレード・ナイト

お前は黙ってろ、と目で制した

「新田さん」尚美は口元に笑みを浮かべつつ、お前は黙ってろ、と目で制した。 東野圭吾さんのマスカレード・ナイト

目からは冷たい光か放たれている

「あ、どうも」 新田が名刺を掴もうとすると、氏原はさっと引っ込めた。 「大人の挨拶なんだから、どうもってことはないでしょう」笑いかけてくるが、目からは冷たい光か放たれている。 東野圭吾さんのマスカレード・ナイト

睨みつけていた真理の眼差しが揺れた

「だから何なんですか」苛立たしげな口調で真理は言った。 「そう。別に矛盾はない。彼女のアルバイト先が池袋でなければね」 志藤を睨みつけていた真理の眼差しが揺れた。 薬丸岳さんのその鏡は嘘をつくより

銀縁眼鏡の奥の目を尖らせて言った

「お呼びでしょうか」 「こちらには何の報告もないようだがね」 佐瀬が銀縁眼鏡の奥の目を尖らせて言ったが、志藤は黙っていた。 「また何やらこそこそとやっているんだろう。何度も言うようだが、次席であるわたしにきちんと決裁を仰ぎなさい」佐瀬が苛立た…