2021-04-16から1日間の記事一覧
水は差さなかったが、聞いてるうちに怒りの水位が上がっていく。 有川浩さんのシアター2より
「……そうですか」 ありがとうございます、といえばそれで一件落着だ。だが 腹の底で何か重たいものが寝返りを打つようにのたうった。 有川浩さんのシアター2より
「ミーティングでちょっと行き違ったって聞いたから、羽田さんのほうはどうしてるかなと思って」 途端に千歳の声がハリネズミみたいに尖る。 「誰から聞いたんですか」 有川浩さんのシアター2より
「じゃあ辞めたら」 あっさり即答されてスズは言葉を失った。 「……そこ、ふつうもうちょっと悩み聞いたりとか……」 「お前、俺の基本前提を忘れてないか?」 コーヒーをすすっていた司がカップの縁からちらりと目だけを上げる。 有川浩さんのシアター2より
はしゃぎながらケーキを半分食べたところで司が尋ねた。 「そんで、相談ってのはどの話? いろいろ揉めた話は聞いてるけど」 いきなりケーキが砂を噛むようになった。 有川浩さんのシアター2より
「ついてきたら全員絶交」 氷点下の声音に巧が石丸同様、石化した。 有川浩さんのシアター2より
シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫) 作者:有川 浩 アスキーメディアワークス Amazon 使えない奴を使えないなりに使えるようにならなきゃそこ止まりだぞ。 そこ止まり、と言われたのは入社三年目だ。その頃は他人に任せるくらいなら全部自分でやった方が…
相手の顔を見るなり互いに視線が切り結んだ。 ー優依である。 お互い腹に一物の顔だ。 有川浩さんのシアター2より