人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

涙、泪、泣く表現、描写を小説から学ぶ

大粒の涙が、ひとつぶ、ふたつぶ。つややかなばら色の頬を、伝って落ちる

千華の美しい顔が、やわらかく崩れるのが見えた。 大粒の涙が、ひとつぶ、ふたつぶ。つややかなばら色の頬を、伝って落ちる。 原田マハさんの本日は、お日柄もよくより

凜子の瞳の湖に、ふたたび風が吹き渡った。水面が、みるみる急上昇した

凜子の瞳の湖に、ふたたび風が吹き渡った。水面が、みるみる急上昇した。 原田マハさんの総理の夫より

拍子に涙が畳を打った

瑞穂は俯いた。拍子に涙が畳を打った。 横山秀夫さんの顔(FACE)より

鳶色の虹彩が、かすかに揺れている

ティムはジュリエットの瞳を見た。鳶色の虹彩が、かすかに揺れている。ふたりは、ほんのわずかのあいだ、ただ黙ってみつめ合った。 原田マハさんの楽園のカンヴァスより

固結びのひもがするりとほどけたように、織絵はぽろぽろと涙をこぼした

それまでぎゅうぎゅうにためこんでいたものが、赤ん坊が生まれた瞬間に全部出た。赤ん坊の元気な泣き声を聞いて、固結びのひもがするりとほどけたように、織絵はぽろぽろと涙をこぼした。 原田マハさんの楽園のカンヴァスより

涙が、じわっとこみ上げた。そして、そのまま、こぼれてしまった

ほんとうの気持ちを口にしたとたん、涙が、じわっとこみ上げた。そして、そのまま、こぼれてしまった。 原田マハさんの翔ぶ少女より

ほこりで汚れた頬には、涙が幾筋も流れている

「坊主。この子と、その子は、どっちも君の妹か」 逸騎がうなずいた。ほこりで汚れた頬には、涙が幾筋も流れている。いつも妹たちを泣かしてばかりの兄が泣いている。 原田マハさんの翔ぶ少女より

肩を波立たせていた

肩を波立たせていた橘が、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を上げた。 横山秀夫さんのルパンの消息より

胸の内から熱いものがこみ上げてきて、それが目から溢れた

胸の内から熱いものがこみ上げてきて、それが目から溢れた。勇作の顔がみるみる滲んでいく。 東野圭吾さんの宿命より

口元が歪み、下瞼に涙がうかんだ

たちまち微笑が吹き消えたと見る間に口元が歪み、下瞼に涙がうかんだ。 浅田次郎さんの地下鉄に乗ってより

つややかな頬の上に、玉のような涙をこぼした

そう言って、高峰さんは、つややかな頬の上に、玉のような涙をこぼした。 原田マハさんのキネマの神様より

薄く紅をさした唇をぐいと引き結んで、節子は涙を流した

薄く紅をさした唇をぐいと引き結んで、節子は涙を流した。 浅田次郎さんのおもかげより

彼の涙腺を刺激した

胸に衝動がこみあげてきた。それは忽(たちま)ち彼の涙腺を刺激した。しかし彼は懸命に涙をこらえた。 東野圭吾さんの嘘をもうひとつだけより

肯く父の細い顎から、涙が滴り落ちた

肯く父の細い顎から、涙が滴り落ちた。 浅田次郎さんの鉄道員(ぽっぽや)より

ぼくを映す瞳が光って、透明な雫を落とす

ぼくを映す瞳が光って、透明な雫を落とす。 七月隆文さんのぼくは明日、昨日のきみとデートするより

どうにか持ちこたえていた涙腺が決壊

ブルーグレーの瞳にみるみる涙が浮かんだ。どうにか持ちこたえていた涙腺が決壊したのだろう、マリーは泣きじゃくって、ピカソの胸に飛び込み、すがった。 原田マハさんの暗幕のゲルニカより

涙が一筋、まなじりを伝って落ちた

さようなら 口の中で小さくつぶやいた瞬間、涙が一筋、まなじりを伝って落ちた。 原田マハさんの奇跡の人より

ただれ落ちるような涙をたたえている

ふと見上げた老人の目が、ただれ落ちるような涙をたたえているのを見て、丹羽はぞっとした。 浅田次郎さんの日輪の遺産より

胸の中で懸命に抑えていた感情の扉が開いて、そこから波がざあっと押し寄せてきた

「全部、あんさんのためやったんや」 立野の言葉に、菜穂は不意をつかれた。 胸の中で懸命に抑えていた感情の扉が開いて、そこから波がざあっと押し寄せてきた。知らず知らず、涙がひと筋、菜穂の頬を伝って落ちた。 原田マハさんの異邦人(いりびと)より

閉じたまぶたの裏に涙が溢れ、まなじりを伝って落ちていく

閉じたまぶたの裏に涙が溢れ、まなじりを伝って落ちていく。その痛いようなぬるさを感じながら、菜穂はいつしか眠りに落ちた。 原田マハさんの異邦人(いりびと)より

瞳が、風に触れた湖面のように揺らめいた

「あの子は……おれの、大切な人です」 つぼみの瞳が、風に触れた湖面のように揺らめいた。人生は、もう一言、つけ足した。 「おれの、大切な家族です」 つぼみは、止めていた息を放った。その途端、涙の粒が頬を滑り落ちた。 原田マハさんの生きるぼくらより

自分の中にも湿ったものがこみ上げてきて、不覚にも目頭が熱くなった

人生の隣で、ぐすっとはなをすする音がした。そっと横を向くと、両膝を抱え、その上にあごを載せて、つぼみがばあちゃんをみつめている。手の甲でしきりに目をこすっている。その様子は、物語に聴き入る無垢な少女そのものだった。 自分の中にも湿ったものが…

しゃっくりするような泣き声が、かすかに漏れている

悲しみと衝撃が、改めて綾音の全身を襲ったらしい。彼女は崩れるように床に膝をついた。肩が小刻みに震えるのを草薙は見た。しゃっくりするような泣き声が、かすかに漏れている。 東野圭吾さんの聖女の救済より

こらえきれず瞬きをすると、涙がぽとりと落下した

手のひらの温もりを感じるたび、凍り付いていた心が溶かされた。誰かと手をつないだ記憶が、わたしにはなかった。こらえきれず瞬きをすると、涙がぽとりと落下した。 小川糸さんのにじいろガーデンより

濡れた睫毛を透かしてかがよう朱の光

うっすらと霞のかかった地平線に朝日が昇る。濡れた睫毛を透かしてかがよう朱の光が、幸福な記憶を椿のうちに喚(よ)び覚ました。 浅田次郎さんの椿山課長の七日間より

天井がぶわりとにじみ、涙が目尻の堰を一気に切った

「麻美さん……」 巻島は呼んで、歯を食いしばった。 喉の奥で熱いものが砕け……。 その破片が言葉となって、巻島の口からこぼれる。 「申し訳……ありませんでしたっ」 天井がぶわりとにじみ、涙が目尻の堰を一気に切った。 「私は……」 巻島はひくついた喉から、…

瞳を包む潤みが、彼の感情に押し出されるようにして静かにこぼれた。そして、きれいな筋を作って頬を伝っていった

石飛さんの瞳を包む潤みが、彼の感情に押し出されるようにして静かにこぼれた。そして、きれいな筋を作って頬を伝っていった。 雫井脩介さんのクローズド・ノート

まだ瞳に潤みの残っている石飛さんと目が合った

「こんな感じです……」 私は取り繕うように言って、ゆっくりと顔を上げた。まだ瞳に潤みの残っている石飛さんと目が合った。彼はにこりと笑って、拍手してくれた。 雫井脩介さんのクローズド・ノート

涙腺が壊れたように涙が溢れた。目元の潮が引くまでしばらくかかった

涙の表現 もう泣かないと決めていたのに、嗚咽が漏れた。少し待って、ちょっとタイム、今だけ。 涙腺が壊れたように涙が溢れた。目元の潮が引くまでしばらくかかった。 有川浩さんの植物図鑑

瞼を閉じ、溢れそうになった涙を絞り落とした

涙の表現 チュウさんは瞼を閉じ、溢れそうになった涙を絞り落とした。 これではいけない。昭八ちゃんが病院を出ていくときは、笑顔で見送ってやろう。チュウさんは両手で顔を何度かこすって、涙のあとをぬぐう。 帚木蓬生さんの閉鎖病棟より