おすすめ小説 薬丸岳さんの「虚夢」
虚夢 薬丸岳
感動する 😢😢😢😢
笑える 😄
スリル 💓💓💓💓
ビックリ 😲😲😲😲
先が気になる 👀👀👀👀👀
ほのぼの 🐹
ためになる 💮💮💮
心に残る 💟💟💟💟
切ない 💛💛💛💛
怖い 😱😱😱
重い 💜💜💜
『刑法三十九条』の「心神喪失者の行為は、これを罰しない」という規定が人々を振り回す。精神を病んだ加害者、被害者遺族、統合失調症を発症した人を抱える家族。それぞれの悩みや行動を丹念に描かれた作品です。
先の展開が気になり読書か止まりません。
あっと驚くこと、
涙すること、
考えさせられること、
たくさん詰まった素晴らしい作品でした。
第一章 再会
通り魔事件で娘の留美を殺害された三上孝一は、その後、妻の佐和子ともギクシャクし離婚した。
犯人は藤崎裕之という若者だ。
三人を殺害し九人に重軽傷を負わせた藤崎が罪に問われることはなかった。
『刑法三十九条』という法律によって。
心神喪失者は、罰しない。
三上と佐和子にとっては納得できるはずはない。
ある日、佐和子から三上に電話があり、街で藤崎を見たという。
第二章 疑心
佐和子は三上と離婚したあと、坂本と再婚していた。
坂本は、誰かに狙われていると怯えバッグにナイフを忍ばせている佐和子の様子を見て精神がおかしくなっているのではないかと疑う。
三上も佐和子が藤崎を見たというのは幻覚ではないかと疑う。藤崎が退院しているはずがない。
第三章 憎悪
三上は友人で医師の松岡から藤崎が一年前に退院していると知らされる。
人を殺しておきながら藤崎は犯罪者ではなく病人ということだ。病気が治れば普通に生活ができる。
殺された留美は二度と戻ってこれないのに、だ。
三上にとってはやりきれない思いだ。
佐和子が藤崎を見たというのは幻覚ではなかった。
三上は藤崎を捜すためにネットカフェを一軒一軒まわり、ついに藤崎を見つけ後をつけた。
藤崎はキャバクラで働くゆきという女性のマンションに入っていった。
第四章 監視
三上はゆきのマンションの向かえのウィークリーマンションを借り監視することにした。ゆきのことも調べようとゆきの勤めるキャバクラに客として行ってみる。ゆきも過去に訳ありの女性のようだった。
ゆきのマンションに藤崎があらわれた。三上は後をつけると犯行現場の公園に入っていった。
藤崎は自分が犯した事件のことを覚えているのだろうか、そう思っていると藤崎と目が合った。
佐和子は精神が壊れていき夫の坂本は離婚を考えていた。
第五章 了解不能
佐和子は藤崎と同じ統合失調症にかかってしまった。ぬいぐるみを死んだ留美だと抱っこしていたり、藤崎が自分を襲おうとしていると幻覚、妄想をみていた。
三上はどうしてよいかわからない。
松岡の話では、統合失調症の場合、どんなに患者に耳を傾けても、追体験することができない。これを了解不能という。
三上は佐和子を自分の部屋に住まわせて、自分はウィークリーマンションで藤崎の監視を続けた。
藤崎に変化があらわれた。カーテンをナイフでビリビリに破っていた。藤崎に統合失調症の症状が出てきたのだ。
第六章 遁走
ゆきは仕事を辞めて藤崎と別の場所で暮らすことに決めた。
ゆきも解離性遁走という心の病にかかっていた。
その二人をある人物が追う。
ここからの展開は大きく動き出す。