人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

おすすめ小説 Aではない君と 薬丸岳

薬丸岳さんの作品はこの本で三冊目になります。

薬丸岳さんを知ったきっかけは、神戸児童殺傷事件を彷彿させる小説が映画化されたと知り、調べたらそれが薬丸岳さんの『友罪』でした。

それから薬丸岳さんのファンになり、『刑事のまなざし』を読みました。

そして今回の『Aではない君と』を読みました。

この作品で一段と薬丸岳さんのファンになりました。

この『Aではない君と』を読み終わってすぐに、薬丸岳さんのを『ラストナイト』買ってしまいました。

『ラストナイト』も読み終えれば、また報告します。

おすすめ度 ☆☆☆☆

あらすじ

吉永圭一は職場の仲間達と酒を飲んでいた。仕事での成功の祝杯の場だった。

その時、中学生の息子の翼から携帯に電話があったが、すぐに出ることが出来なかった。

後でかけ直してみたが、翼は出なかった。

翼と同じ歳の中学生が殺害される事件があったことを知る。

その事件の日時が、ちょうど翼から電話のあった日だった。

その後

その容疑者として翼が逮捕された。

吉永は、動物好きな翼がそんなことするはずないと、警察に行くが、翼に会うことも出来ないし、逮捕された理由もわからない。

取り調べで、翼が自供したと知り、ショックを受ける。

何故、同級生を殺さなければいけなかったのか、あの時、電話に出ていれば、殺さずにすんだのか。

吉永の後悔と苦悩が続き、真相が明らかになっていく。

感動作です

翼が殺人を犯してしまったのは自分のせいではないかと、自分を責める吉永。

仕事にかこつけて、翼としっかり寄り添っていなかったこと、翼のSOSに気づいてやれなかったこと、そんな後悔、無念さが伝わってきます。

翼は「父親から自分は愛されていない」と思っていることを知り、息子を愛する気持ちは誰にも負けないのに、それを伝えられなかったことが、今回の悲劇を生んでしまったんだと吉永は苦しむ。

吉永の無念や苦痛が伝わってきて、ドンドンと作品に入っていきました。

前半はお互いの愛情は深いのに、ひとつ歯車が狂ってしまったための悲劇かなと思いました。

後半には、翼がチャーハンをつくって吉永が食べるシーンなど父子の愛情に感動するシーンが出て泣きそうでした。

作品中で気に入った言葉がありました。

吉永が苦悩のなか、自分の父親に悩みを相談しに行った時に、父親が発した言葉です。

『物事のよし悪しとは別に、子供がどうしてそんなことをしたのかを考えるのが親だ』