追従(ついしょう)笑いとは? 小説に出てきた難しい言葉
相手にこびへつらうように笑うこと。また、その笑い。
曖昧な追従笑い
を浮かべる日岡を無視して、大上は質問を続けた。
角館は豪快に笑った。
石破とふたり、追従笑いを返す。
どうだ? と松方に訊かれて、田代はとまどった。
何と答えてよいのかわからない。実にいい絵ですね、と言えば、あからさまにお追従になってしまう。かといって、重苦しい絵ですね、と言えば、そのまんまである。
「厳しいのは本当のことを言っとるからだ。こんなもの、嘘や追従で誤魔化してもしようがなかろう」
「いえ、だからこそ本当にご立派だと思います」
最後に付け加えてきた見え透いた追従が耳に不快だった。
その、とっかかりとやらの詳しい内容は聞かないほうがよさそうだと鵜飼は判断し、追従笑いだけをしておいた。
「もう誰も理事長を止められしませんわ。立志堂さんは、そのうち、国立近代美術館を超えてしまわはるん違いますか」
美濃山が苦笑して言ったが、お追従には聞こえなかった。
雷也がぽん、と肩を叩くと、隣に座っていた次郎が追従笑いを浮かべた。
宝来兼人は絵に描いたような追従笑いを顔に貼り付けて近付いてきた。