人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

小杉健治さんのおすすめ小説

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小杉健治さんの小説は特に40歳代、50歳代、60歳代の人に特におすすめです。

父からの手紙

小杉健治さんの代表作。私もこれを読んで小杉健治さんのファンになりました。

失踪した父親から毎年誕生日に手紙が届く。しかし、姿を見せることはなかった。父親が失踪した理由、手紙を送り続けた理由とは?

最後に父親の子供への愛情に感動すること間違いなし。

しかし、もっと幸せになれる道はなかったのかと切なさも感じます。

夫の殺害を認めている被告人。しかし、原島弁護士は無罪を主張する。

被告人が殺害を認めているのは何かを隠している。それは被告人にとっては知られたくないことだった。

原島弁護士の破天荒ぶり、裁判の尋問シーンにグッと引き込まれます。

疑惑 裁判員裁判

保険金目的の殺人容疑の被告人保窪耕平。

保窪耕平は前妻の死亡時にも保険金を受けとり疑われた過去があった。

その時、ワイドショーでも取り上げられていたので、鶴見弁護士は裁判員の先入観を恐れた。

保窪は何かを隠していると鶴見は感じていた。

小杉健治さんの裁判シーンは好きですが、鶴見弁護士の尋問シーンも良かったです。

最期

ホームレス岩田貞夫はホームレス仲間を撲殺したとして逮捕されたが無罪を主張していた。

この裁判の裁判員に選ばれた貝原茂樹は、被告人の岩田が四十五年前の四日市の公害訴訟で貝原の祖父達と共に戦ってくれた船尾哲三に似ていると思った。

当時の船尾は大企業相手に公害訴訟で戦ってくれたヒーローだった。勝訴してすぐに船尾は姿を消した。

この岩田という男は、あの船尾哲三ではないか、しかし、なぜ勝訴したあと姿を消し、今ホームレスになっているのか?

最後に全てがあきらかになり感動の結末です。

父と子の旅路

二十六年前に大富家で殺人事件があった。

殺されたのは大富夫妻と大富の父親。生後半年の息子祐介だけが助かった。

事件前日に大富家に泊まっていた柳瀬光三が容疑者として逮捕された。

柳瀬光三は無実を主張する。

そんな時に再審請求したいという弁護士があらわれた。

その弁護士は二十六年前に大富家の殺害現場で唯一助かった生後半年の祐介だった。

そして二十六年前の真実が徐々にあきらかになり衝撃の結末をむかえる。

黙秘 裁判員裁判

内堀優一郎は五年前に娘の優希を殺害された。

犯人は優希にストーカー行為を繰り返していた中下要。

しかし、中下は殺人では無罪。自動車運転過失致死傷罪が適用されただけの懲役三年だった。

その中下要が出所後、殺害された。

容疑者として内堀優一郎が逮捕され裁判員裁判がはじまった。

内堀は無罪を主張するが、大事なことは黙秘する。

何かを隠している。誰かをかばっているのだろうか。

黙秘を続ける内堀の真意は? 中下だけでなく、裁判所や警察への復讐も考えているのか?

家族

認知症を患う牧田文子が殺害される。

ワイドショーでは息子の牧田孝一郎が犯人のように報道を繰り返したが、ホームレスの三田尻作雄が逮捕された。

この事件の裁判の裁判員に選ばれた谷口みな子は、三田尻作雄がなにかを隠していると感じる。

そして、谷口みな子は三田尻作雄の秘密に気づく。裁判員裁判のあり方、老老介護問題、ホームレスから抜け出せない不況、そうしたことを考えさせられる、小杉健治らしい作品です。

失踪

鶴見弁護士の中学の恩師夏川陽一郎が札幌から上京して鶴見と久しぶりに会った。夏川はその後神戸に行った後、失踪した。

事件、事故に巻き込まれたのか、自分の意思で失踪したのか。

鶴見は調査を始めた。鶴見にとって夏川は教育熱心で生徒から慕われていた恩師だが、調査していくうちに鶴見の知らない過去の夏川が見えてくる。

小杉健治作品のなかでは少し物足りなかったです。

声なき叫び

自転車で蛇行運転していた青年、高尾翔太が警察に取り押さえられた後、すぐ死亡した。

取り押さえる際に警察が暴行していたという目撃証言があるにもかかわらず、警察は正統性を主張する。翔太が暴れたので取り押さえただけだという。

翔太の父親、宏は納得がいかない。翔太は障がいをかかえているが優しい性格で暴れるような性格ではない。

新聞記者の八田から水木弁護士を紹介され、ともに警察の嘘を暴こうとする。

親の愛情を感じる作品です。正義感の強い人におすすめです。

残り火

連続通り魔事件の容疑者として相浦純也が逮捕された。立花は年老いた母親が転んだ時助けてくれた優しい相浦が、そんなことすふはずがない。無実だと信じて水木弁護士に弁護をお願いする。

そして真犯人がわかり衝撃の結末。

裁判員 もうひとつの評議

並河富子と娘の留美子が自宅で殺害された。

この裁判で裁判員に選ばれた堀川恭平裁判員裁判に期待を寄せる一人だった。

被告人は木原一太郎留美子と出会い系サイトで知り合った。

木原はおとなしく優しい性格だった。幼少の頃の火傷跡のせいで他人とのコミュニケーションが苦手だった。

木原は自分が並河家に行った時には二人は殺害されていた。自分が疑われると思い怖くなって逃げてしまったと供述している。

死刑か無罪という裁判員にとって難しい裁判になる。

主人公の裁判員の夫婦のトラブルはいらなかった。

共犯者 検事・沢木正夫

カルチャーセンターの学長辻川義和が刺殺された。講師の瀬崎には藤木令という女性講師との関係や仕事のトラブルなど動機があった。しかし、瀬崎には殺害時間に藤木令と会っていたという完璧なアリバイがあった。沢木検事は、実行犯が別にいて、瀬崎が殺害を依頼した可能性があると考えたが、実行犯も浮かんでこない。

沢木検事は一から白紙にして考え直した。そこで気づいたのは、犯人は瀬崎だが、そもそも動機が間違っていたのではないかと調べ直す。瀬崎が隠していた本当の動機とは? 共犯者の存在は?