いっちみち短編傑作選第3話 青い手
おすすめ度 4.0
拓也は母親の実家にはじめて行った。これからはここが拓也の住まいになると聞かされる。
そこは嗅いだことのない匂いがした。
祖父母は優しく、拓也をむかえてくれた。
祖父母は線香を作る仕事をしていた。祖父の作る線香は有名な寺院やお茶屋から人気のようで、高価なものだった。
拓也も祖父母の手伝いをするようになり、将来は後をつぐと決めた。
幸せで平穏な日々が続いたが、拓也にとって唯一、いじめっ子の盛人だけが嫌だった。線香作りを手伝って手が青くなっていることや、父親がいないことをバカにする。
そのまま時が流れ、拓也は祖父母の後を継いだ。
その頃、盛人は行方不明になっていた。そして、拓也の父親も実は行方不明になっていた。
ゾッとする話でした!