2021-01-29 煙るような雨の中で、ネオン管がジイジイと鳴いていた 建物、街、屋外の表現、描写を小説から学ぶ 車はやがて、海岸通りの手前にぽつんと建つ店の前で止まった。真白にペンキを塗りたくられた二階家で、出窓には豆電球が点滅し、いかにもそれらしい名前の看板を掲げている。煙るような雨の中で、ネオン管がジイジイと鳴いていた。 浅田次郎さんの鉄道員(ぽっぽや)より